妻の支えを力に変えた――。2026年ミラノ・コルティナ五輪の代表選考会を兼ねた全日本選手権初日(26日、長野・エムウェーブ)、男子500メートルが行われ、新濱立也(高崎健康福祉大職)が34秒40で2位。森重航(オカモトグループ)に0秒04差で敗れたものの、五輪代表に大きく前進した。
いくつもの試練を乗り越えた。4月には交通事故に遭い、今選手権の直前には今季使用してきたブレードが壊れる事態が発生。眠れない日もあったというが、好パフォーマンスを披露した。「どんな状況になってもどこかで立ち直れると改めて感じた。ミラノは何が起こるか分からないが、経験値を積むことができた」と安堵の表情を浮かべた。
この日は妻で五輪2大会連続メダリストのカーリング女子・吉田夕梨花(ロコ・ソラーレ)が現地で観戦。新濱のレース後には吉田の目に涙が光っていた。24年春に結婚した2人は、アスリート同士で励まし合いながら歩みを進めてきた。新濱が応援に訪れたカーリングの五輪代表を懸けた国内選考会では、ロコ・ソラーレが敗戦。「つらい思いをお互いした」と振り返る新濱は、妻の思いも込めて氷上を滑った。
ブレードが壊れた際は、吉田が新濱に「大丈夫じゃない?」と声を掛けたという。何気ないひと言は新濱の心を軽くした。「妻からも託したと言われていたので、それを現実にできたところは本当に良かった。常に前向きにさせてくれる言葉をかけてくれている存在」と感謝を述べた。
22年北京五輪は不完全燃焼で幕切れとなった。リベンジを期す一戦に向け「ミラノの舞台で自分のできる最大限の準備をした上で、自分らしい滑りをしっかりして結果を求めたい」ときっぱり。妻を超える金メダルへ、ここで立ち止まるつもりはない。












