【取材の裏側 現場ノート】巨人・大勢投手(26)が14日に都内で開催された「THE BASEBALL INTELLIGENCE 2025 supported by AHS ホールディングス―トッププロの頭脳と技術を届けるドリームコーチング―」に参加。カブス・今永昇太投手(32)とトークショーを繰り広げた。

 約1時間にわたってファンの笑いを誘っていたが、記者にとってトークショーといえば頭が真っ白になった苦い記憶もある。巨人担当になって間もない今年1月、観客参加型のイベントに出演した大勢が「借り物競走」のコーナーで引いたくじのお題は「マスコミ関係者」。取材に訪れていた報道陣で話し合った結果、最も若手だった記者が急きょステージに上がることになった。

 壇上を降り、記者を迎えに来た大勢とともに高級ホテルの会場を猛ダッシュ。勢いのままステージに上がると、参加した多くのファンの視線が突き刺さり、一気に心拍数が上がって体が硬直してしまった。

 さらに震える手でマイクを握りながら会社名を名乗り、新人記者であることを説明。心の整理もつかない時間はとてつもなく長く感じたが「これで終わりだ…」と安堵した直後、司会者から「大勢投手の〝裏エピソード〟を教えてください!」と予想していない質問が飛んできた。

 担当する球団が決まったばかりで、大勢との接点はほぼゼロ。エピソードなどあるわけがない。そもそも多くの巨人担当記者がいる中で、認識されているかすら怪しかった。頭がパニック状態の中、大勢の口から発せられた言葉に驚かされた。

「実は僕、この人のこと知ってますよ」。

 2024年11月に行われた「プレミア12」で、記者は右も左も分からない状態で大勢に〝突撃取材〟。やや的外れな質問を投げかけてしまったが、当時のやりとりを瞬時に面白おかしくトークに変えてくれたのだった。

 今でこそ「2か月前のことで覚えていないと思っていたのに…」と笑えるが、大勢のアドリブ力に救われた感謝は忘れられない。(巨人担当・塩島惠)