グルメ系インフルエンサーと偽り、ニューヨークの一流レストランばかりで〝食い逃げ〟を続ける女が本物のインフルエンサーと化している。何度逮捕されても無銭飲食し、インスタグラムに画像をアップし続けることで、フォロワーが急増しているのだ。米紙ニューヨーク・ポストが20日、報じた。

 NYブルックリン在住の〝食い逃げディーバ〟ことペイ・〝ルー〟・チャン被告(32)は、「インフルエンサーとして店を宣伝するので無料にして」と要求してはミシュラン星付きレストランで無銭飲食を繰り返し、10月下旬から7回逮捕されている。いずれも〝サービス窃盗(本来料金を支払うべきサービスを、支払う意思がないのに受け取ったり利用したりする行為=チャン容疑者の場合は無銭飲食)〟の疑いでの逮捕だったが、軽犯罪であるため、逮捕後すぐに釈放されていた。しかし、一連の無銭飲食の罪で訴追された。

 そのチャン被告は19日にも〝食い逃げ〟に成功した。毛皮のジャケット、白いルイ・ヴィトンのバッグ、カシミアのベレー帽という格好で、地元のオーストラリア系カフェ兼レストラン「ホール・イン・ザ・ウォール」を訪れた。店内で5時間過ごし、77ドル分も注文したが、ソテーしたサーモン、ブカティーニ・カルボナーラ、ブッラータサラダには一切手を付けなかったという。

 同店のウエイターのロス氏は「彼女は前菜を3つ注文しました。店長はこの詐欺について知っていたので、『支払い方法を提示しない限り、料理は保持できませんよ』と言いに行きました。彼女は笑っていました」と明かす。

 チャン被告は、インスタグラムに画像を投稿した直後にトイレへ向かった。しかし、店側はニューヨーク市警を呼びたくなかったようだ。どうせ釈放されるのならば、他の客がいるのに警察ざたになるのは面倒だからだ。

 ロス氏は「警察は呼びたくないですよ。店長が『警察を呼びますよ』と脅しても、彼女は『どうぞ、呼んでください』と言ったんです。店長は諦めました。皿は手つかずだったので、料理とカプチーノを下げました。彼女は5時間ずっとスマホをスクロールしていました」と語る。

 ロス氏は、チャンは自身の投稿を使って注目を集めようとしているのだと推測。「100%有名になりたいだけです。警察ざたになればなるほど、彼女は有名になれる。悪名が売れるんです。警察も、彼女を逮捕して報告書を書いて、留置場に連れて行って…という手続きを面倒がっている。そして彼女もそれを分かっている。警察が来れば来るほど、彼女はコンテンツを作れるんです」と指摘する。

 チャン被告は10月22日から11月11日までの間で5回逮捕され、その都度すぐに釈放された。さらに14、15日に無銭飲食し、2回逮捕され、監視付き釈放となっていた。訴追もされる中、今回またもや無銭飲食した。

 そして、チャン被告のインスタグラムのフォロワー数は事件発覚前の1万3000人から、現在は2万2000人に急増した。グルメ系インフルエンサーを装っていたのが、本物のインフルエンサーと化してきた。

 チャン被告は台湾出身で、2023年までチェース銀行でコンサルタントとして働いていたという。現在働いているかは不明。裁判資料によれば、ウィリアムズバーグの高級アパートの家賃を4万ドル(約629万5880円)以上滞納している。