MLBのメディア環境が2026年から劇的に塗り変わる。
動画配信サービス大手の「Netflix(ネットフリックス)」が来季からMLBの一部試合を配信し、26年以降はホームランダービーやフィールド・オブ・ドリームス・ゲームなど「イベント型コンテンツ」の放映権も確保。さらに来年3月25日(日本時間26日)にサンフランシスコで行われるジャイアンツ対ヤンキースのMLB来季開幕戦まで生中継するなど、ついに「ライブスポーツ本格参戦」に踏み切った格好だ。日本でも独占ではないが視聴可能で、新たな時代の幕開けとなる。
加えて衝撃を広げたのが、MLBと米スポーツ専門局「ESPN」が締結した26~28年の巨大パートナー契約だ。ESPNは「MLB.TV」の市場外配信を丸ごと傘下に組み込み、アプリ内で全試合を視聴可能にする〝完全支配権〟を獲得。シアトルやサンディエゴなど6球団のローカル配信権まで掌握し、野球コンテンツのハブとして機能させる。
注目すべきは、ここ半年、米国内で「ESPNはMLB中継から撤退する」との観測が飛び交っていたことだ。だがフタを開ければ真逆。今回の契約でESPNはむしろMLB最大の「門番」となり、39年連続のパートナー関係をさらに強化した。放映枠も再編され、平日夜の集中編成へとシフトする。
そして、この放映権再編の「大本命」として米有力誌「ニューズウィーク」が挙げたのがネットフリックスの存在だ。同誌はこう断じる。
「Netflixは、すでに来年3月の第6回WBCの独占放映権を得ている。WBC人気が突出する日本ではハレーションも起きているが、同社の〝スーパーパワー〟は世界標準となりつつあり、その流れはもう止められない」
ドキュメンタリー制作からホームランダービー、WBC、MLB開幕戦へ──。Netflixは野球コンテンツの〝国際的な主導権〟に手をかけ始めた。一方、ESPNは撤退どころかMLB.TVまで吸収し、米国内の視聴導線を完全再編。加えて米4大放送局「NBC」も約26年ぶりのMLBレギュラー中継に復帰するなど、〝三つ巴〟のメディア戦争は新ステージへ突入した。
26年以降、ファンが触れるMLBは激変する。MLBを巡る米スポーツ中継の〝デジタル心臓〟は、ついにNetflixとESPNの手の中で鼓動し始める。












