〝炎の飛龍〟藤波辰爾(71)が14日、主宰する「ドラディション」後楽園大会で新日本プロレスの前IWGP世界ヘビー級王者のザック・セイバーJr.(38)に敗戦を喫した。

 今大会は1995年に藤波が旗揚げした「無我」がサブタイトルとして使用された。団体が無我を冠する大会を開催するのは2007年12月13日後楽園大会以来、約18年ぶりで、8試合すべてがシングルマッチのカード編成。藤波はメインで英国伝統の「キャッチ・アズ・キャッチ・キャン」を継承するザックと初シングルマッチに臨んだ。

 高度なグラウンドの攻防からV1アームロックを仕掛けていった藤波は、左腕にキックを連発されて窮地に陥りながらも蹴り足をキャッチ。代名詞のドラゴンスクリューから足4の字固めに捕獲した。

 さらにドラゴン張り手から逆さ押さえ込みと猛攻を仕掛けると、ザックドライバーも首固めで切り返す。スリーパーホールドからドラゴンスリーパーへと移行した藤波だったが、これを切り返されるとザックドライバーでマットに轟沈。新日本プロレスの最強外国人に3カウントを奪われてしまった。

 試合後のリング上ではザックから「藤波さん、今日は本当にありがとうございました。16歳でデビューして、こんなに感激したことはありません。ドリームマッチでした」と感謝され、日本語で「もう1回やりたい」と呼びかけられた。藤波も「OK!」と快諾し、大会は大団円で幕を閉じた。

 藤波は「ホッとしました。たらればだけど、もっと自分のいい時に彼とやりたかったな。今日は彼も引き出し1つ2つしか出してないんじゃない?」とザックを称賛。

 さらに「リングに上がっている以上は、自分が悲鳴を上げるような試合をしていないと声を大にして現役と言えないので。現役としての夢があるのでね」と、今回のシングルマッチに臨んだ経緯を説明しつつ「欲を言えばここに西村(修)が立っていてくれたらなって。(今日は)西村がちょっと手助けしてくれたんでしょう。彼がケツを叩いてくれたのかな」と今年2月に死去した弟子への思いを明かした。

 昨年は高橋ヒロム、そして今年はザックと、70代に突入してもなお新日本のトップ選手とシングルで戦い続けている。「実際に戦っているから言えることなんだけど、やっぱりすごい。第一線でやっているだけありますよ。本当に素晴らしい選手だし、まだまだいっぱいるでしょう」と古巣の後輩たちを絶賛しつつも「まだまだ引退は見えません」と生涯現役を誓っていた。