ラストシーズンのメリットをフル活用だ。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯(大阪・東和薬品ラクタブドーム)の女子では、坂本花織(25=シスメックス)が今季世界最高の227・18点で2年連続4度目の優勝を飾った。今季限りでの引退を表明している日本のエースは、心技体で好調をキープ。2026年ミラノ・コルティナ五輪に向けて〝脱スロースターター〟ぶりを発揮している。
スマイルは健在だった。GPシリーズで2試合連続の合計220点超えを成し遂げ、ミラノ・コルティナ五輪の選考に関わるGPファイナル(12月4日開幕、愛知・IGアリーナ)への進出が決定。9日の一夜明け取材では「加速できるような試合が連続でできている。この波に乗っていきたい」と満面の笑みで振り返り、エキシビションでは「Poison」を華麗に舞った。
2017~18年シーズンからシニアに転向すると、18年平昌五輪では6位。22年北京五輪では団体で銀メダル、個人で銅メダルを獲得した。世界選手権でも22~24年に3連覇を達成するなど長きにわたって活躍。惜しまれつつも、今季を最後に第一線を退く意向を6月末に示している。
勝負のシーズンを前に公の場で自身の決意を語った坂本だが、早期の表明はプラスに働くとの見方だ。あるフィギュア関係者は「3回目の五輪を目指す上で、つらい練習も最後かと思えるようになる。それぐらい覚悟がないとやれないと思う。ずっと頑張り続けることは難しいけど、ゴールが決まっていた方が走り切れると思う」と語った。
さらに「坂本選手を応援する人たちも『今季で最後か』と心置きなく応援することができる。特に今季は、ファイナルも日本開催だし『坂本選手を見られる時に見よう』と思えるだろうし、急に引退すると言うよりは、先に明かすことで応援してくれている人たちへの恩返しになるのでは」と指摘した。
ミラノ・コルティナ五輪の開幕までは3か月弱となった。坂本は「GPシリーズが始まったら、あっという間に世界選手権まで行くので、今季も相変わらず時が流れるのが早い」と苦笑いを浮かべるも、ここまでの足取りは順調そのものだ。「今季で最後って決めてからは、練習がめちゃくちゃ楽しい。もちろんキツいけど、何かやりがいのある練習が毎日できてるので、それはすごくいい傾向だなと思う」と充実感を漂わせた。
今後はショートプログラム(SP)とフリーをブラッシュアップする予定だ。「もう一段上を目指していけるように頑張りたい」と残された時間を全力で駆け抜ける。












