柔道の講道館杯全日本体重別選手権最終日(2日、千葉ポートアリーナ)、男子100キロ超級の王子谷剛志(33=旭化成)が手塚春太朗(東海大2年)に敗れ3回戦敗退。試合後に現役引退を表明した。

 王子谷は無差別級で争われる全日本選手権で2014年に初優勝し、重量級選手としてトップを走り続けたが、21年東京五輪の代表争いに絡めず引退が頭をよぎったこともあった。しかし、進退を迷う時期に妻と出会い「もう一度かっこいいところを見せたい」と現役続行を決意。21年春に所属先の宮崎・延岡に拠点を移し、23年の全日本選手権で4度目の頂点に立った。

 試合後は「衰えた部分があっても、別の部分で伸ばせばまだ戦えるのではと思い、今大会も挑んでいたが、自分の生かし切れるところがもうなくなってしまった。全日本選手権(4月)で初戦で負けて、これ以上厳しいなと思った」と引退を決めた理由を明かした。

 それでも今大会まで現役続行を選択したのは、ともに練習する選手たちの存在があったから。「延岡で、全日本も講道館杯にも出られない選手が『何が何でも来年は出てやるんだ』という強い気持ちで僕に接してくれている。そういう選手のためにも一緒に戦わなければという思いが強くなり、ここまで来れた」と感謝の思いを口にした。

 3回戦敗退に終わったが、「選手としての柔道人生は全うした。今日この結果で終わって、次がないのは確実なので。一区切りという段階」と、やり切った表情を見せた。今後については「自分が柔道家としてどう生きていくかを考えていく」と語った。