無差別級で争われる柔道の全日本選手権(26日、東京・日本武道館)の決勝が行われ、90キロ級元世界王者の田嶋剛希(パーク24)が、同級世界王者の村尾三四郎(JESエレベーター)に優勢勝ちで初優勝。90キロ級以下の選手による制覇は、2012年加藤博剛以来14年ぶりとなった。

 ライバル対決を制すると、自然と涙がこぼれ落ちた。25年世界選手権決勝では、村尾に延長戦の末に敗戦。この日は序盤から村尾のペースで試合が進むも、残り12秒で技ありを奪い、日本一を引き寄せた。「(今年は)全日本はやめておこうかなと思っていたけど、村尾選手が出ると聞いて『俺がいない時に優勝されたら困るな』と思ってスイッチ入った」と声を弾ませた。

残り12秒で村尾三四郎(上)から技ありを奪った田嶋剛希
残り12秒で村尾三四郎(上)から技ありを奪った田嶋剛希

 温泉での出来事も発奮材料になった。約2週間前に温泉で偶然柔道好きの男性に声を掛けられ、柔道トークに花を咲かせた。その一方で「90キロの強い選手の名前をいっぱい知っていたのに、俺の名前は知らなくて、まだまだやなと思った」。男性からは「覚えておくね」と言われたといい「もしかしたらその男性に(名前を)覚えてもらえるかもしれない」と笑みを浮かべた。

 村尾とは28年ロサンゼルス五輪の代表を争う立場。「すごく遠いライバル。遠距離恋愛的なみたいな」と謙遜するが、夢舞台への切符を譲るつもりはさらさらない。「『俺は田嶋派だ』『俺は村尾派だ』って感じで柔道界を盛り上げて最後に勝つのが目標」。

トロフィーを担ぎ、記念撮影する田嶋剛希
トロフィーを担ぎ、記念撮影する田嶋剛希

 24年世界選手権、今大会で頂点に立ったことで、五輪金メダルに輝けば〝3冠〟達成となる。次なる偉業へ、視線は早くも前を向いていた。