有袋類を中心とした独自の生態系が存在するオーストラリア大陸。代表的なものとして思い浮かべるのはコアラやカンガルーだろう。一部は絶滅危惧種になっているものもあるが、生息地付近では住宅地近辺に現れることもある。

 今年5月23日、クイーンズランド州ブリスベンで巨大カンガルーが目撃されるという事件が起きた。普通のカンガルーは大型のハイイロカンガルーやアカカンガルーでも150〜160センチ程度なのだが、このカンガルーはなんと身長2メートル近く、体重は95キロ以上はあるのではないかと思われる巨体だったという。

5月23日に目撃された巨大カンガルー
5月23日に目撃された巨大カンガルー

 付近の住民が写真の撮影に成功しており、この人物が連れていた飼い犬におびえている様子だったという。今のところ人が襲われたという話はないが、巨体と発達した筋肉が分かるため、万一のことが起きた場合は普通のカンガルーの比ではないだろう。

 さて、実はオーストラリアには他にも巨大カンガルーの目撃証言が存在している。それも、今回報道されたカンガルーよりさらにひと回りは大きい、普通のカンガルーの倍の3メートルはあろうかというサイズのジャイアントカンガルーだ。

 1978年、自然学者のデビッド・マッキンリー氏が愛犬とともにパース近郊のやぶの中を散策していたところ、突如巨大なカンガルーが目の前に現れた。身長は普通のカンガルーの倍ほどもあり、胴回りも人間の2倍の太さで、前足は人間のすねよりも太く8センチの爪があったという。

 彼はたまたま手にしていたカメラで撮影に成功したのだが、その直後巨大カンガルーは前足を広げる威嚇のポーズで近づいてきて、前足で引っかいたり足にかみついてきた。彼は逃げようとしたが、背中を蹴られて倒されてしまい、カンガルーはさらに何度もかみついてきたという。しかし、連れていた愛犬がカンガルーの尾にかみついたことで、カンガルーは彼を解放して逃げ出したという。

 今回目撃されたカンガルーよりもさらに大きい、このカンガルーは一体何だったのだろうか? 既に絶滅しているカンガルーの先祖、ステヌルスやプロコプトドンは身長が3メートルはあったと言われており、特にステヌルスはオーストラリアに白人が入植し始めた頃にはまだオーストラリアに生息していたという。

 1978年に目撃された巨大カンガルーはステヌルスの生き残りだったのだろうか。もしかすると、今回目撃された2メートルのカンガルーも、古代の巨大カンガルーとの間の子だったのかもしれない。