パリのルーブル美術館から19日に〝お宝〟9点が盗まれた事件で、捜査当局は最大限の動員をもって捜査を行っているが、まだ犯人を逮捕できていない。そんな中、大胆な犯行手口から窃盗団「ピンク・パンサー」の可能性があるとの指摘が出ている。英紙サンが20日、報じた。

 ルーブル美術館の開館直後に、4人がわずか7分でナポレオンの宝飾品など9点を盗んだ。その価値は計り知れない。

 ロンドン警視庁の特殊部隊「フライング・スクワッド」の元作戦責任者バリー・フィリップス氏は、サン紙に対し「盗まれた宝石は、すでにフランスから密輸されている可能性が高い。数千個のダイヤモンドやエメラルドを含む財宝は解体され、改造されてから公開市場で販売されるだろう。この犯行が軍隊式の精密さで行われたことから、ピンク・パンサーによる犯行である可能性がある」と語った。

 ピンク・パンサーは、ヨーロッパを拠点とした国際的な宝石泥棒ネットワーク。ボスニア戦争の退役軍人のセルビア人とモンテネグロ人を中心に800人ほどのメンバーで組織され、世界中で少なくとも400件以上の高額強盗を実行している。特徴は、綿密に計画を練り、数分で強盗を実行すること。2004年には、東京・銀座の高級宝石店を2人組で襲い、約35億円を盗んでいる。

 英国での犯行の際、盗んだダイヤモンドをフェースクリームの瓶の中に隠したことが、映画「ピンク・パンサー」のワンシーンと同じだったため、国際刑事警察機構(ICPO=インターポール)が命名した。

 フィリップス氏は「今回の手口はピンク・パンサーの特徴をすべて備えている。それは彼らのこれまでの実績や彼らが用いる手法と完全に一致している。彼らは、国外へ持ち出されたお宝を換金するための、よく組織されたネットワークを持っている。彼らは絵画や工芸品を買わない。そういった品物の市場が非常に限られているからだ。ダイヤモンドは形を整え直して見た目を変え、宝石は砕かれ、貴金属は溶かされる。宝石としての価値は下がるが、それでも非常に価値があるだろう」と話している。