ドジャースの山本由伸投手(27)がポストシーズンの歴史を塗り替えた。14日(日本時間15日)に敵地アメリカンファミリー・フィールドで行われたリーグ優勝決定シリーズ第2戦(NLCS)でチームはブルワーズを5―1で下し、NLCS2連勝。先発マウンドに立った山本は初回に先頭打者アーチを浴びながらも立て直し、3安打1失点での完投勝利を挙げた。日本人投手としては史上初、ドジャースでも実に21年ぶりとなるポストシーズン完投という快挙を成し遂げた。

 米メディア「スポーツキーダ」は山本の快挙について「アストロズ・バーランダーから8年後、山本由伸が『非不正投手として完投した初の選手』 ポストシーズンの歴史に名を残しファンは大興奮」と題したショッキングな記事を掲載。SNS上で「ヤマモトこそ〝クリーン〟なエース」「ヨシノブは間違いなく真の勝者」と称賛の嵐が巻き起こっていることも報じた。

 背景には、17年から18年にかけてアストロズが組織的なサイン盗みを行っていたという〝MLB最大のスキャンダル〟がある。当時調査を行ったMLBはアストロズの選手への処分や、17年のワールドシリーズのタイトルはく奪を実施しなかったものの行為そのものについて「ギルティー(有罪)」と判定。アストロズ側に罰金500万ドルを課し、20年と21年のドラフトにおける1巡目と2巡目の指名権はく奪の処分を下していた。

 ジャスティン・バーランダー投手(42=現ジャイアンツ)がポストシーズンで完投した17年当時のアストロズに所属していたことから「この記録にも疑念が残る」とするファンの声も根強く、今回の山本の快挙は〝潔白な正真正銘の完投〟として特別な意味を持った格好だ。そして皮肉にも、バーランダーの疑惑にまみれた快挙が再びクローズアップされることになった。

 試合後、敵将のマーフィー監督は「(前日に先発した)スネル、山本。2人はわれわれの最悪のシナリオを引き出した」と脱帽。ドジャースはシリーズ2連勝で、ワールドシリーズ進出に大きく前進した。

 SNS上には「もう残りのPSは中止して彼らにトロフィーを渡せ」という投稿もみられ、同メディアは「ヨシノブ・ヤマモトが一時トレンドになるほど、彼の完投劇が米国のMLBファンに鮮烈な印象を残した」とも論じている。