再生可能エネルギーに逆風が吹いている。釧路湿原付近に建設中のメガソーラーが「環境や生態系のバランスを壊す」と問題になっているほか、他のメガソーラー建設に関しても、周辺への影響が懸念される案件が続出。また、洋上風力に関しても三菱商事が撤退を表明するなど、普及に待ったがかかっている状況だ。
次期総理の有力候補である高市早苗前経済安全保障担当相は、自民党総裁選の出馬会見の席で、メガソーラーについて「美しい国土を外国製の太陽光パネルで埋め尽くすことには猛反対」と、声高に政策転換を訴えた。
個人的には、〝マグマ大国〟の日本では「地熱発電」が有望と考えているが、こちらも地下水の枯渇や発電効率の悪さや開発規制、開発に長期間かかることなどがネックになっている。いずれにしても、日本では再生可能エネルギーの開発・普及が暗礁に乗り上げているのは間違いない。
ただ、今後も電力需要が増え続けるのは確実な情勢であることを考えると、「原発」と「火力」が頼みの綱となるのではないだろうか。原発に関しては当欄でも何度か取り上げているので、今回は火力発電関連の注目銘柄を取り上げたい。火力発電は、いわば日本のお家芸のひとつ。再エネ普及に待ったがかかることで、株式市場では電力需要の増加を背景とした買いが火力発電関連に流れる公算が大きい。特に、コスト面やインフラ整備面に優位性があるアンモニア火力発電は、株式相場で人気化する可能性を秘める。
アンモニアの製造は、日本最大の生産工場を有していたUBE(旧宇部興産)が生産から撤退するなど市場が縮小する中、現在も生産を続ける三井化学(4183=3799円)に注目したい。半導体関連向けの増加を背景に足元の業績は好調。化学メーカーは、いわゆる〝万年割安株〟と呼ばれ、株価指標的に割安な銘柄が多い業種の一つだ。アンモニア発電が拡大すれば、株式市場での存在感を増していくだろう。
アンモニアから高純度水素を生成する「水素分離反応技術」を持つ澤藤電機(6901=1042円)も、アンモニア発電の拡大によって中長期的な株価上昇が期待できる銘柄。アンモニア火力発電は、まだ普及が株価に織り込まれていない銘柄が多い〝不人気テーマ〟だけに、現在は仕込み場と言えそうだ。また「バイオマス発電」も、再生エネが萎んでいく中で人気化する可能性があるため、今後の当欄で取り上げていきたい。(株価は22日終値)












