8月の「大樹生命月間MVP」が10日に発表され、ソフトバンクの上沢直之投手(31)が日本ハム時代の2022年5月以来、2度目の受賞を果たした。

 8月は4勝負けなし、防御率1・73と文句なしの成績を残した。会見では「メカニック的に取り組んだことが今はすごくはまっている」と現在の投球への手応えを語るとともに「本当に僕ひとり(の力)で月間MVPをとったわけではない」と野手陣、救援陣に感謝を示した。

 9月にも1勝を挙げ、現在の成績は11勝6敗、防御率2・81。昨年、異国の地で投球フォームを崩し、苦しんだ右腕は完全にかつての輝きを取り戻している。そんな右腕の復活の要因となっているのが〝聞き魔〟としての姿だ。

 米球界挑戦を経て今季からホークスに加入。慣れない環境に戸惑ってもおかしくないが、加入直後からその能力は発揮されていた。宮崎春季キャンプでは年齢問わず、チームメイトの練習法や調整法の話を聞いて実践。「とりあえずやってみる」の精神でさまざまな人からヒントを得た。

〝聞き魔〟としての姿はシーズン中も変わらず。その真骨頂が発揮されたのが、フォークボールだった。元々は真っすぐに近い軌道で変化量の少ないフォークを投げていたが、球界でも屈指のフォークを持つ杉山、藤井ら救援陣から握り方や投げ方などを聞き、シーズン中でも改良に取り組んだ。結果的に以前よりもフォークの変化量が増え、質も向上。右腕は「あの時より今の方がフォークがいいかなと思う。つかんだ感覚をなくさないようにしたい」と手応えを口にした。

「いろんな人から話を聞くのは好きなので。どこにヒントが隠れているかわからない」と口にする背番号10。今後も吸収し続けながら〝真夏の量産態勢〟のままシーズン終了まで白星を積み重ね、チームをリーグVへと導きたいところだ。