ヤクルトの主砲・村上宗隆内野手(25)の打棒が、止まらない勢いを見せている。10日の中日戦(神宮)では「4番・三塁」で先発出場。4回に相手先発・金丸の150キロ直球を捉え、逆方向の左翼スタンドへ19号2ランを放った。外角低めの難しい球をバットの芯で仕留め、もはや「速球に弱いのではないか」という一部の疑念をも完全に吹き飛ばす一撃となった。

 ケガによる約3か月半の長期離脱を経て7月29日に一軍復帰。そこから驚異的なペースで本塁打を量産しており、復帰後38試合で実に19本。8月度の月間MVPも受賞し、1か月間で12発をマークする離れ業をやってのけた。8月30日の広島戦(神宮)では1試合3本塁打を記録するなど、復調どころか進化した姿を見せつけている。

 プロ8年目の〝バージョンアップ〟は他の打席でも証明済みだ。5日のDeNA戦(横浜)では9回、抑えの入江が投じた154キロ低めのストレートを豪快にバックスクリーンへたたき込む18号3ラン。相手が自信を持って投げた速球を全く問題にしなかった。

 そして19号2ランを放った後、10日・中日戦の第3打席でも同じ相手先発・金丸の投じた134キロのスプリットを中堅フェンスギリギリまで運び、結果として中飛に打ち取られながらも、あと1メートル伸びていれば2打席連発となる〝惜しい当たり〟を飛ばしている。試合こそ3―6で敗れたが、村上の存在感は文句なしで際立った。

 メジャーの評価も急上昇中だ。あるMLB関係者は「ヘッドスピードが明らかに昨季より増しており、インパクトの瞬間に伝わる力はNPBの水準をはるかに超越している。しかも中日戦では左腕の金丸と対峙し、左対左で150キロの速球にも見事に対応した。速球へのアジャストに対する疑念はもはや愚問」と分析している。

 すでに球団側も今季終了後のポスティングシステム利用を容認しており、水面下では複数のメジャー球団が村上に熱視線を送る。来季、日本の4番がいよいよ海を渡る可能性は極めて高い。

 チームは最下位に沈み、シーズンの優勝争いからは早々に脱落した。それでも村上のモチベーションは衰えず「一打席一打席に集中したい」と前を向く。

 これでリーグ2位の森下(阪神)とは、わずか1本差。目の前の速球を豪快に打ち返す姿は、すでにNPBの枠を超えた存在感を示している。