石破茂首相が総裁辞任を表明したことで事実上の総裁選がスタートしている。8日、自民党が次期総裁選を党員・党友の投票も行う”フルスペック”で行う方向で調整していると明らかになった。9月22日告示、10月4日投開票という日程も浮上。今から約1か月の間、メディアジャックとなるかと思いきや、同じ顔ぶれに停滞感が漂う。

 さっそく出馬の意思を表明したのが茂木敏充元幹事長だ。記者団に「総裁選に出馬する思いを固めた」と宣言した。党の役職だけでなく外相、経済産業相など閣僚経験も豊富にある。

 また、林芳正官房長官も「仲間とよく相談したい」と出馬に前向き。岸田文雄元首相からは激励を受けたという。林氏も外相をはじめ経験豊富で、急に大臣が辞めた時の代役として重宝されるなど安定感がウリだ。

 前回は決選投票で石破氏に敗北したものの、票数では1位だった高市早苗元経済安全保障担当相も、出馬の意向を固めたという。推薦人確保が不安視されていたが、メドがついたようだ。

 さらに、前回の総裁選で「コバホーク」として一躍名を広めた小林鷹之元経済安全保障担当相も7日に「仲間としっかり相談したい」とコメントしており、出馬濃厚。

〝コメ担当大臣〟として一時期はメディアに出まくった小泉進次郎農相は、高市氏と並ぶ本命候補。石破氏の説得に成功して党分裂の危機を回避するなどして評価を高めている。出馬に関しては明言を避けているが、推す声は大きい。

 しかし、新顔がいないのだ。昨年の総裁選に出た名前ばかりの総裁選では盛り上がりに欠けることは必至。永田町関係者は「1年前の総裁選で感じたのは、長すぎる選挙期間が中だるみの原因になっていたこと」と指摘した。

 日程通りなら選挙期間は12日間。昨年は15日間だったが、候補者が昨年とほぼ変わらずでは余計に停滞感が出てしまいかねない。

 新顔はいないのか。週刊新潮では、麻生派を率いる麻生太郎元首相が小渕優子元経済産業相に関心を持っていると報道されていたが、音沙汰はない。

 別の永田町関係者は「自民党内で評価が高いのは斎藤健元経済産業相です。前回の総裁選で出馬を模索しましたが、断念していました。しかし、自民党議員からは『斎藤氏がもう少し早く出馬の意思を表明していたら、今いる陣営ではなく、斎藤氏の推薦人になっていたかもしれない』との声が出るほど信頼感はあった。派手ではないが、実務能力の高さがあります」と話した。

 斎藤氏は東大から通商産業省(経産省)に入省。ハーバード大学大学院に留学するなど経歴はまぶしいばかり。小泉氏とは同期当選の仲だ。かつては石破派に所属していたことでも知られている。

 隠れた人材がまだどこかにいるかもしれない。