セ・リーグ独走Vを果たした阪神のリードオフマンとしてチームをけん引してきたのは、近本光司外野手(30)だった。2年前の2023年にはリーグ優勝と日本一を達成。昨季は涙をのんだが、今年のペナントを「〝こういうの勝っちゃうんだ〟っていう試合は、よくあったなと思います」と振り返った。

 交流戦では楽天、西武にスイープされるなど、痛恨の7連敗を喫したこともあった。大量得点での圧勝や破竹の11連勝もあったが、派手な連勝が続いたわけではなかった。それでも「交流戦ではセ・リーグが全部負けていたことが大きかったですし。相手がミスしてくれたり、同点でも1点取って勝つとか。負け越しも少なくて運びとしては良かったかな」と話す通り、粘り強く安定感のある戦いを続けてきた。

 勝負どころでの一発も象徴的だったといい「印象的なホームランが結構多い。効率よく一気に取れるっていうのはすごいあります」と勢いを呼び込む力を感じている。

 優勝間近の8月下旬には自己ワーストの38打席連続無安打に倒れるなど苦しみ、ベンチスタートとなることもあった。だが「開き直るわけではなく、ここでしか見られない景色もある」と下を向くことはなかった。「次につなげられるように今感じたことを記録しながら。いい経験できてるなと思ってます」とポジティブに受け止め、今後の糧にしていくつもりだ。

 今季は長嶋茂雄さんに並ぶルーキーイヤーから7年連続130安打を達成し、国内FA権も取得した虎の背番号5。レギュラーとして試合に出続けたからこそ手にできた〝選手の勲章〟をどうするかも注目されるが、まずはもう一つの頂を目指す。