ロシアのプーチン大統領が8月31日、中国天津市を公式訪問した。中国に計4日間滞在する。先日、アラスカでプーチン大統領と会談したアメリカのトランプ大統領としては、中ロの緊密な関係、経済圏の構築というのは脅威だったが、それが現実のものになりつつある。

 天津では上海協力機構(SCO)首脳会議が2日間開催される。中ロのほかインドのモディ首相を含む20か国以上の新興国首脳らが出席し、トランプ米政権に対して対抗軸を打ち出す構えだ。

 プーチン氏はその後、北京で習近平国家主席のほか、北朝鮮の金正恩総書記と個別に会談する予定。さらにモディ首相、トルコのエルドアン大統領らとも会談する予定となっている。

 9月3日の訪問最終日には、抗日戦争勝利80周年を記念して天安門広場で行われる軍事パレードに参加する予定。中国では9月3日の抗日戦争勝利記念日に向けて反日の映画やドラマなどが続々と放映され、国民感情を盛り上げている。プーチン氏、習氏、金氏が並び立てば、米国および対西側諸国への強烈なアピールとなりそうだ。

 プーチン氏の訪中について、すでにロシアメディアは「プーチン大統領は中国でアラスカよりも盛大な歓迎を受けた」として、「アラスカを訪問した時よりもはるかに華やかで豪華なものだった」「大統領を出迎えた人々の数は、かつてアンカレッジに集まった人数をはるかに上回った」などと報じた。8月15日に米アラスカ州アンカレッジで行われたトランプ氏との首脳会談と比較し、中国の歓待ぶりを持ち上げている。

 ロシア事情通は「プーチン氏はトランプ氏との会談の内容について、電話で習氏に内容を報告せず会って直接報告することで合意していました。プーチン氏はこれまで常に〝機密会談〟の内容開示に反対し、オープンにしがちの西側を無節操と批判してきました。しかし、習氏へ直接報告するというのは、ロシアは中国に対して何の機密も持っていないこと、そして両国の間に亀裂を生じさせようとするトランプ氏の計画が失敗したことを意味します」と指摘する。

 ウクライナ和平交渉を仲介しているトランプ氏としては、西側の経済制裁によって孤立しているロシアが中国と関係を強固にし、独自の経済圏を築かれることが脅威だったが、まさにその方向に進んでいると言えるだろう。

 米国事情通は「経済制裁を受けたロシアは、輸出先の多くを中国が占めています。中国がいなければ経済崩壊し、ウクライナとの戦争を継続できなかったはずです。中国からのカネと技術で銃弾、ミサイル、ドローンの製造を続けられたわけで、プーチン氏にとって習氏は大恩人となります。プーチン氏がかつてやったことがない4日間も外国=中国に滞在し、日本に対する中国の勝利を祝うのは、中国との強い関係を示し、西側諸国に対抗するという意思表示でしょう」と指摘した。

 中ロの親密ぶりを見たトランプ氏は、どう動くか。