超新星がいよいよ世界へ――。9月13日に開幕する陸上の世界選手権(世界陸上、東京)に、女子400メートルの青木アリエ(21=日体大)が特別な思いで挑む。6月に日本国籍を取得し、初の日本選手権(7月、東京)は400メートルで3位に入った。無限の可能性を秘める21歳は、混合1600メートルリレーでの世界選手権代表入りが有力。本紙の単独インタビューで、筋肉へのこだわりや日本国籍の取得に至るまでの葛藤など、さまざまなテーマを本音で語り尽くした。
――世界選手権は混合1600メートルリレーで出場する公算が大きい
青木 正式に決まれば初めて日の丸を背負うので、今まで支えてくれたみなさんに少しでも恩返しができるような走りをしたいです。世界陸上ではもう一度51秒台で走れるように、自分の体、メンタルを成長させていきたいし、日本選手権は筋力が落ちたことが走りにつながったと思うので、体をパワーアップさせるために筋トレをしまくっています(笑い)。
――どれくらいの重さを上げるのか
青木 スクワットは100キロくらいです。片足で60キロとかなので、そこら辺の男性とは張り合えるんじゃないかなと思っています(笑い)。
――昔から筋肉質だったのか
青木 大学2年の頃は痩せただけというか、筋力量が落ちていたと思うんですよ。去年の写真と今年の写真を見ると、体がひと回りぐらい違うので。去年の冬季トレーニングで初めて筋力がついてきて、今はボディビルダー並みに(筋トレに)ハマっています。頻度は週2~3回くらいだけど、本当に暇さえあれば何かしらはやっていますね。
――すごい筋肉だ
青木 今は自分から日焼けしようとしていて、その方が筋肉がバキバキに見えるんじゃないかなと。ボディビルダーみたいに(笑い)。みんなは練習中とか日焼け止めを塗っているけど、私はタンクトップとショータイ(ショートタイツ)で日焼け止めを塗らずに練習をやっていて、しかもありがたいことに結構すぐ日焼けできるタイプなんですよ。
――筋力トレーニングの成果は出ているのか
青木 日本選手権が終わってからは結構走れるようになってきて、スピードも上がってきました。筋力も戻ってきたので、自分の中ではもう一度51秒台が出るような体に戻ってきた感じがする。結構ワクワクしています。
――日本国籍の取得が思うようにいかず苦労した時期もあった
青木 自分はずっと日本で生活をしていたので(他の日本人と)変わらないと思っていたけど、今はいろいろ厳しいので…。必要な書類を出すために横浜と浜松を行き来したりとかしたけど、自分のためにいろんな人たちが動いてくださったおかげです。去年は日本選手権に出られないと決まった瞬間、ありえないぐらい泣いたけど、今思えばあの時に日本国籍がなかったから注目してもらえているし、いろんな人が応援してくれていると思っています。
――2028年ロサンゼルス五輪への期待も高まる
青木 卒業して2年後ですよね…。陸上を続けるか迷っている部分もあるけど、もし続けるならロスまでは行きたいし、満足して終わりたいです。
――迷っている理由は
青木 今伸びている理由は(指導を仰ぐ)大塚(光雄)先生との相性がいいからだと思っているので、大塚先生から離れるのが怖いというか、不安だからですかね。でも続けるなら大学院という選択肢もあるし、実業団に行って、練習拠点を日体大にするのも選択肢の一つだと思っています。
☆あおき・ありえ 2004年6月2日生まれ。静岡県出身。日本とペルーにルーツがある父と、ペルーとイタリアにルーツがある母のもと、自身は静岡・浜松市で生まれ育った。日本国籍を取得前の5月には、静岡国際で日本記録を上回る51秒71をマークして脚光を浴びた。以前は「フロレス」姓だったが、6月に日本国籍を取得。現在は「青木」姓で試合に出場している。7月の日本選手権は3位。陸上以外のスポーツは苦手で「日体大に来て〝運動音痴〟に気づいた」。163センチ。














