為替相場の潮目が変わろうとしている。きっかけは、22日に米国で開催された国際的な金融・経済シンポジウム、通称「ジャクソンホール会議」でのパウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長の発言。同会議は毎年夏に開催され、世界各国の中央銀行のトップや金融関係の要人が集う世界的に注目度の高いイベントである。ちなみに、今会議には日銀の植田和男総裁も参加した。

 同会議でパウエル議長は雇用市場悪化やインフレ懸念に配慮しつつも、今後の利下げをにおわせる発言を敢行。これによって、市場では「パウエル議長のスタンスは想定以上にハト派(利下げ推進)」との見方が強まり、米株式市場は急伸した。

 一方、日本の金融政策については、日本経済へのトランプ関税の懸念が後退したことで、利上げ再始動の環境が整いつつある。要は、足元で「米国=利下げ・日本=利上げ」という日米の金融政策の方向性が定まったということだ。まだ不確実な部分は残るものの、中長期的には日米の金利差の縮小によって円高・ドル安が進む可能性が高まってきたわけである。

 そう考えると、今後は輸出関連株の上値が重たくなる一方、投資家の視線が内需関連に向く公算が大きい。内需関連といっても建設や電力、不動産などさまざまだが、利上げ再始動の機運が高まっていることを考えると、銀行株に出番が回ってくるのではないだろうか。

 銀行株は、3月から4月にかけてトランプ関税の不確実性を背景とした「利上げ休止観測」で株価が急落したが、足元では再び騰勢を増し、メガバンクをはじめ高値を更新する銘柄が相次いでいる。銀行は、〝失われた30年〟の影響を最も受けた業種のひとつ。日本がインフレ経済へと転換し、ようやく長い眠りから目覚めたばかりと言っていい。それだけに、長期的な上昇トレンドを形成することが予想される。

九州フィナンシャルグループ本店(GoogleEarthから)
九州フィナンシャルグループ本店(GoogleEarthから)

 当然、主力はメガバンクや地銀トップ級になると思われるが、他の地銀株にも大きく株価の水準を切り上げるチャンスがある。たとえば、半導体バブルに湧く九州フィナンシャルグループ(7180=876円)。半導体関連企業を中心に貸出需要は旺盛で、経常収益(売上高)が急拡大中だ。同様に、福岡に本拠地を置く西日本フィナンシャルホールディングス(7189=2470円)や、過去の不正融資問題の垢が抜けたスルガ銀行(8358=1484円)も上値追いの展開が期待される。(株価は日終値)