陸上界のニューヒロインが脚光を浴びている。7月の陸上日本選手権女子棒高跳びで自己記録を16センチ更新し、日本学生新記録の4メートル31で日本一に輝いた小林美月(20=日体大)が単独インタビューに応じた。日体大で監督を務め、男子棒高跳びの前日本記録保持者である父・史明さんのもと、現在は大学卒業までに日本記録(4メートル48)の更新を目指す。実力とともにインスタグラムのフォロワー数が約3万人と人気も兼備する新女王が、競技への熱い思いや、SNSでの発信について明かした。

インタビューに応じた小林美月
インタビューに応じた小林美月

 ――棒高跳びを始めたのは史明さんの影響

 小林 そうですね。赤ちゃんの頃から日体大のグラウンドに連れて行かれていました。小学6年から週に1回、学生に交じって練習を始め、中学3年ごろまでは基礎中心の練習をしていました。その時の基礎があって、大学でも記録が伸びていると思います。

 ――日本選手権を終えて周りからの反響は

 小林 高校の先生や、たくさんの方にお祝いの言葉をいただきました。日体大のOG・OBからも「あんなに小さかったのに、優勝して本当にすごいね」と言われてすごくうれしかったです。

 ――日本選手権を終えて、今の練習で取り組んでいることや工夫点は

 小林 足が流れ、腰が低い走りになる悪い癖があるので、ミニハードルを使ったマーク走をしています。それがしっかりできれば助走もさらに良くなって、もっと記録が伸びると思います。

 ――日々競技と向き合う中で、息抜きの方法は

 小林 一日中家でずっと過ごしたり、人混みを避けて山に登ったり、海や川に行ったりしています。息抜き以外で趣味はないので、欲しいと思っています(笑い)。家にいる日はよく海外映画を見ていて「メン・イン・ブラック」は最近見た中で面白かったです。

在学中の日本記録更新を狙っている小林美月
在学中の日本記録更新を狙っている小林美月

 ――インスタグラムのフォロワー数は3万人。SNS発信で意識していることは

 小林 陸上のことを中心に載せるようにしています。フォロワーが3万人いて、プライベートのことを投稿するのが少し怖いため、発信の仕方は気を付けています。

 ――DMで中高生の競技の相談に乗る意味とは

 小林 経験を思い出し、一緒に考え、自分を見つめ直すことができ、競技にも生きると思います。

 ――日本一になってから、世界との距離感をどう捉えているか

 小林 日本記録と、海外選手との差を埋めることは本当に難しいと思います。日本記録を跳んで、さらに記録を上げていかないと世界と戦えないので、その差を埋められるようにしたいです。

 ――世界を目指す中で理想の選手像は

 小林 応援したいと思われるような選手になりたいです。練習中も試合中も、日常生活でも「ありがとうございます」という感謝の気持ちを言葉で伝えることを心がけています。

 ――大学卒業2年後には2028年ロサンゼルス五輪がある

 小林 ロサンゼルス五輪には出て終わりではなく、結果を残したいです。きつい練習を乗り越え、基礎をもっと固めることが大事だと思います。日本記録でも参加標準記録に届いていませんが、自分ならできると信じて頑張ります。

目指すは2028年ロス五輪での飛躍だ
目指すは2028年ロス五輪での飛躍だ

 ☆こばやし・みつき 2005年3月16日生まれ。東京都出身。男子棒高跳び前日本記録保持者で現在は日体大陸上競技部監督を務める父・史明さんの影響で、小学6年から棒高跳びを始める。東京・明星学園高3年時のインターハイ(全国高校総体)を大会タイ記録の4メートル00で優勝。23年に日体大に進学すると、同年のU-20日校本選手権を連覇し、5月の関東インカレ(関東学生陸上競技対校選手権)では3連覇を達成。7月の日本選手権で初の頂点に立った。