ソフトバンクは31日の日本ハム戦(エスコン)に5―4で競り勝ち、4カード連続の勝ち越しを決めた。貯金を再び今季最多の「20」とし、首位に再浮上。7月を17勝5敗1分けで駆け抜け、8月戦線に勢いをつけた。

 鷹の勢いは、本物だ。この日の相手先発は達孝太投手(21)。NPBデビューからすべて先発で7連勝中と飛ぶ鳥を落とす勢いだった右腕にプロ初黒星をつけた。

 出ばなをくじいて、リズムを崩した。初回、コンディション不良で出場を回避した周東に代わって1番に入ったダウンズが二塁打でチャンスメーク。近藤の内野ゴロの間に先制点を奪い、主導権を握った。4回は柳町、近藤、山川の効果的な3連打で貴重な2点目を奪取。勝敗を左右する「次の1点」を奪ったことが呼び水となり、牧原大、谷川原にも適時打が生まれた。2点差に迫られた直後の5回はダウンズが豪快な2号ソロ。無敗の21歳右腕に要所でダメージを与え、完全攻略と言える5得点だった。

 最初に黒星をつけた――。今季9戦6勝、防御率1・76。勝ちまくっている相手だからこそ、因縁深い結果に映った。2021年ドラフト会議で日本ハムから単独1位指名を受けた逸材は「鷹の恋人」とも言うべき存在だった。

 ソフトバンクはかねて「ポスティングシステム」を認めない球団だ。世界一のチームづくりを目指し、世界的有望株の獲得競争においてもメジャー球団と真っ向勝負を繰り広げている。端的に言えば、それが「認めない理由」だ。ソフトバンクは、同年のドラフト直前に強い「メジャー志向」を持つ達の明確な意思を確認。球団のポリシーと選手のポリシーが相反すれば、球界の宝を埋もれさせかねない。信念ある高校生の思いを尊重する選択が舞台裏にはあった。

 近年、球界内でソフトバンクと日本ハムのドラフト指名傾向が極端にかぶることが話題だ。欲しかった逸材がライバルのエース候補として急成長。見初めた通りの飛躍は、やはり心中複雑に違いない。