ソフトバンクは前半戦を51勝34敗4分けで終え、首位・日本ハムと2ゲーム差の2位でシーズンを折り返した。主力の相次ぐ故障離脱で一時は借金7、単独最下位にも沈んだが、投手陣の奮闘にも支えられて貯金17までV字回復。26日から始まる後半戦を前に、球団OBで本紙評論家の加藤伸一氏が覇権争いの行方を占った。

【加藤伸一・インハイアウトロー】開幕してすぐに近藤、柳田が戦列を離れ、その後も立て続けに今宮、周東、栗原らが抜けた中でよく挽回した。出場機会を得た柳町、野村が台頭。近年、世代交代が思うように進まなかっただけに大きな収穫だ。

 12球団それぞれに特色がある。ホークスは四軍制を敷きながら、球界を代表する選手を数多く抱える。ホークスの監督にしか分からない苦悩や葛藤がある。私は現役時代に4球団でプレーし、ホークスでコーチ、編成の仕事にも携わった。

 一つ言えることは「戦力がありすぎても迷いが生じる」ということ。若い選手を引き上げつつ、ファームにいる実績組にも目を配らなければならない。足りなくても大変だが、多すぎても苦労する。いないから使う、と割り切れる方が楽かもしれない。小久保監督もしんどいはずだ。柳田や今宮らが戻ってくる際に難しいマネジメントを迫られる。彼らありきではなく、今いるメンバーがレギュラーだと考えるべきだ。

 日本ハムとの優勝争いはシ烈になる。今の2ゲーム差は、あってないようなもの。目標を下方修正せざるを得ない球団も出てくる中で、いかに星を取りこぼさないか。日本ハムはホークス以外に負け越していないが、ホークスは楽天とここまで5勝9敗と苦戦。原因を究明し、苦手意識を払拭しなければならない。その楽天戦でプロ初勝利を挙げた前田悠伍の使い方にも注目したい。データもまだ少ない。面白い存在になるのではないか。

 日本ハムとの直接対決は残り12試合。状況的に直接対決の比重は大きい。どの試合もCSのような気持ちで臨むべきだ。球宴明け2カード目に敵地での3連戦が控える。ローテーションの組み方が何より重要で、互いにこの3試合を最優先に編成してくるはずだ。

 最後に、今の野球界に一石を投じる日本ハムの戦いに敬意を表したい。前半戦の先発完投数「19」。他のパ5球団を合算しても「16」だから特筆だ。分業制の時代にあって、大切なものが見直される機会になるかもしれない。自慢の投手力を有する2強のハイレベルな戦いに注目している。

(本紙評論家)