日・米・豪・印の4か国「クアッド」は、今月1日に開催された外相会談後の共同声明の中で、「クアッド重要鉱物イニシアティブ」の立ち上げを表明した。「レアメタルなどの重要鉱物の供給網の整備と、生産元の多様化を4か国で協力して進める」というものだ。
レアメタルは、世界生産量ベースで中国が7割程度の高シェアを占める。今回の共同声明が、レアメタルの対米輸出規制を敷く中国をけん制する意図と、中国依存度を下げる狙いがあることは明らかである。
現在、世界中でレアメタルの鉱床開発が進行中だが、世界各国の中国依存度は依然として高いまま。鉱床開発は、実際に採掘開始から商用化に至るまで、調査、試掘、評価、許認可など多くの段階を踏む必要があるほか、掘削など技術的な問題も絡む。「鉱床が見つかったのですぐに掘って売りましょう」と、一朝一夕でできる類いのものではない。よく、「日本近海で〇〇の鉱床が見つかった」といった放送を目にするが、なかなか商用化にこぎつけられないのも、そうした理由によるものだ。
そこで、今回のクアッド外相会談で出てきた案が、「都市鉱山」の活用である。都市鉱山とは、家庭に眠る中古家電やPC、スマホなどのこと。それらを回収してレアメタルを抽出し、リサイクルするというわけだ。
日本は、2013年に「小型家電リサイクル法」が施行されており、都市鉱山の活用で実績を持つ。今回の外相会談を受け、日・米・豪・印の4か国と周辺諸国では都市鉱山の活用を目的としたネットワークが構築されることが予想され、金属リサイクルの技術や実績が豊富な日本企業には、強烈な追い風が吹く可能性があるだろう。
株式市場では、すでに関連銘柄の一部で物色が始まっているが、現在はまだ構想前の段階に過ぎない。今後、実現に向けた具体案が浮上するたびに、折に触れて人気化することになりそうだ。
関連銘柄としては、金属リサイクルに実績があり、すでに海外に展開している企業が望ましい。その点で、貴金属リサイクル事業を手掛け、タイやフィリピン、マレーシア、ベトナムなどに展開している松田産業(7456=3685円)は筆頭に挙げられるだろう。
また、マレーシアや韓国に展開しているAREホールディングス(5857=1975円)にも要注目。また、現時点では国内展開のみではあるが、より株価の割安感が強い三和油化工業(4125=1410円)を穴株として挙げておきたい。(株価は15日終値)












