柔道で東京五輪100キロ級金メダルのウルフ・アロン(29)が新日本プロレスに入団し、大きな話題を呼んでいる。日本人五輪金メダリストのプロレス転向は史上初。五輪メダリストでは、バルセロナ五輪柔道銀メダルで1997年4月の新日本・東京ドーム大会でデビューした小川直也氏(57)以来となる。〝元暴走王〟はウルフの新日本入りをどう見るのか。直撃した。
ウルフの入団会見には約100人の報道陣が訪れ、X(旧ツイッター)でトレンド入り。NHK、民放各局でも報じられ、プロレス界にとっては久しぶりに明るい話題となった。
現在は少年柔道の指導に携わる小川氏も、ウルフの入団会見を配信で視聴した。ウルフの少年時代から柔道の試合は見てきたというが「大学時代、プロレスを見てたなんて知らなかった。何回も会う機会があったんで、ひと言くらい言ってくれればいいのにね」と言って笑い出した。自身以来となる大物柔道家のプロレス入りには「オレのときは話題先行と散々言われた。ウルフにも話題で終わらないように頑張ってほしい」と告げると「良き師匠に出会って、プロレスに真摯に向き合ってほしい。プロレスファンは温かい半面、シビアなところもあるからね」と忠告した。
小川氏の現役時代は、「暴走王」「ハッスル・キャプテン」ともてはやされたこともあれば、「銭ゲバ」「試合はしょっぱい」などとやゆされることも多かった。ただ、それは師匠の故アントニオ猪木さんの教えでもあったという。「ファンにはこびるなって言われてたし。ファンの手のひらにのっけられるのではなく、ファンを自分の手のひらにのっけろ、とずっと言われた」と、自身が感じたプロレス転向の難しさを語る。
ウルフは来年1月4日の東京ドーム大会でデビューを予定。23日の入団会見では同大会で引退する棚橋弘至が相手を務める可能性を問われたが、「別の試合にした方が面白い」と否定した。これに小川氏は自身のユーチューブチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」で「棚橋 vs ウルフが一番いい」と主張した。
この真意を聞くと「これだけ世間が注目してくれているんだから、世間に響くレスラーじゃないと。でも世間に響くレスラーがほぼほぼいない現状では、世間的に知名度の高い棚橋社長が引き受けるのがベストだろ。プロレスファンも棚橋 vs ウルフが見たいはずだし、オレも見たい!」と一方的に持論を述べた。
自身のデビュー戦では、当時のIWGPヘビー級王者で後の最大ライバルとなる〝破壊王〟こと故橋本真也さんに胸を借りた。「(橋本さんの対戦相手だったウェイン)シャムロックが出られなくなってその代わりだったけど、本当にラッキーだった」と振り返った上で「棚橋社長の引退試合でウルフが何を感じ取れるか。これも面白いし、ウルフのためになる」と、執拗に〝棚橋推し〟を展開する。
元暴走王は最後に柔道家の立場としてウルフにエールを送る。「ウルフは柔道3冠(五輪、世界選手権、全日本選手権)を取った選手。柔道人口が減る中で、ウルフがプロで成功してくれれば柔道にとってもプラスになる。『ウルフみたいになりたい』という人が出てくれば、プロレスはもちろんだけど、柔道の普及にも貢献してくれるだろうと思う」といい「オレもやったつもりだったけど、力及ばずで終わったからなあ…。そこはウルフに託したい」と自虐のコメントで締めた。












