【取材の裏側・現場ノート】阪神は18日のロッテ戦(甲子園)に8―1で完勝し、連敗はついに7でストップ。先発の伊藤将が6回9安打1失点の粘投でゲームをつくり、待望の今季1勝目をマークした。

 阪神の試合前練習はホームゲームの場合、午後2時からスタートする。球場に着き、しばらく周囲をウロウロしてから何げなくグラウンドに顔を出すと、いつもとは違う風景を目にして驚いた。普段は一、二塁間後方の「定位置」でトップとしての孤独を漂わせながら、ナインの鍛錬を見守っている藤川球児監督(44)がベンチに腰をかけ、トラ番記者たちと雑談をしていたからだ――。

 指揮官はこちらを見つけるなり「あ、変なヤツが来た」とニヤリ。〝ですます調〟ではないフランクな肉声を聞いたのも随分と久しぶりだ。日頃はメディアとの間にも明確な一線を引く対応をしているが、この日の試合前ベンチでは現時点のチーム状況について、ざっくばらんに語り続けた。

孤高の雰囲気を醸し出す藤川監督(ベルーナドームで)
孤高の雰囲気を醸し出す藤川監督(ベルーナドームで)

 11日の西武戦(ベルーナ)に登板するまで中11日もの間隔を空けていた守護神・岩崎については「隠れ抹消だった。大切にしなければいけない選手だから」と休養的な意味合いがあったとのこと。その他にもファームで好調を持続しながら、一軍昇格を17日まで延ばした22歳の若武者・前川の現状への見解や、同日のカード第1戦で才木の続投を決断した背景、現役時代も含めて交流戦で感じたセ・パのスタイルの違いなど、周囲の記者の問いかけにも率直に応じていた。

 藤川監督がこの日なぜ、われわれメディア側に自ら「歩を寄せて」きたのか。その真意は当然ながら本人のみぞ知るところだが、チーム内に漂う嫌な流れを変えようとした意図もあったのではないかと個人的には推測する。晴れて連敗もついにストップ。143試合を終えた後、6月18日という一日が、シーズンのターニングポイントとして振り返られる日も来るかもしれない。