柔道男子100キロ級で2021年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(パーク24)は〝苦悩〟を乗り越え、花の都に降り立っていた。

 史上8人目となる「柔道3冠」(全日本選手権、世界選手権、五輪)を達成した東京五輪後はモチベーションの低下に苦しんだ。「口では(24年)パリ五輪を目指しますと言っていたけど、なかなかいい状態に持っていくことができなかった」。悩む日々を過ごしていたが、24年グランドスラム(GS)パリ大会で優勝したことが1つの転機になった。

 パリ五輪は連覇を狙う立場。生半可な気持ちで戦えないことはよく分かっていた。「4年後(28年ロサンゼルス五輪)を考えず、パリで終わりと決めなければ自分自身頑張れないし、望んだ結果を得ることはできない」。パリ五輪後の引退を決め、最後の力を振り絞った。個人ではメダルを逃し、団体では2大会連続の銀メダル。頂点には届かずも「悔いは全くない。」と充実の表情を見せた。

 10日には都内で引退会見を行い「本当に柔道からたくさんのことを学んだ。これからもたくさんいろんな活動をしていく中で、僕のバックボーンには柔道がこれから先もずっとある」。早期の指導者就任は否定したものの、さまざまな形で柔道界に貢献していく構えを示した。