3日に肺炎のため89歳で亡くなった長嶋茂雄巨人終身名誉監督の通夜・告別式が都内の斎場で8日までに執り行われ、巨人OB会長の中畑清氏(71)が弔辞を読み上げた。

 監督と教え子の関係だった中畑氏は「思い出は山ほどあります」とした中で、ともに猛特訓を行った伝説の伊東キャンプでの日々を回顧。「監督と2人で交わした個人ノック、忘れられません。ノックの天才ですね。飛び込んでも、飛び込んでも絶対捕れない距離感、それを打ち分ける天才です。捕れない。それに向かって、『この下手くそ、下手くそ』。私はノッカーに『この下手くそ、下手くそ』と言い返しました」と当時を振り返ると「たまに打ってくれるサービスボール。うれしかったです。捕って喜んで、監督めがけて投げ返していました。そのボールに『ヒョー、ヒョー』と叫びながら、踊りまくる監督との対決が忘れることができません。私の野球人生で最高の思いです。夢の時間でした」と胸の内を明かした。

 また、今でも忘れられない一日として、現役引退後にともに行ったゴルフでの出来事も明かした中畑氏。「一度でいいから本人に向かって『ミスター』と呼びたかった」との思いから「面と向かって言うのは勇気がいります。背後から背中越しに『ミスター』と声をかけたら、『おお、どうした、キヨシ』と満面の笑みで振り返ってくれました。その時に子供のような気持ちで、私は心臓が止まるぐらい感動し、喜んだことを覚えています。それ以来、『ミスター、ミスター』と呼ばせていただきました」とうれしそうに当時を懐かしんだ。

 最期に中畑氏は「頑張るだけ頑張ってきた89年だと思います。ここで一息入れてください。ゆっくり休んでください。そしてまた、その満面の笑みで国民の前に出てきてくれる夢を見させてください。安らかにお眠りください。本当に長い間ありがとうございました」と恩師をいたわりながら、感謝の言葉を述べた。