「自分はブーイングを浴びなくて済んだ」――。ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジ外野手(33)が米紙「USAトゥデイ」の敏腕記者ボブ・ナイチンゲール氏のインタビューに応じ、今季からメッツに移籍した元チームメートのフアン・ソト外野手(26)への本音を語った。米誌「スポーツ・イラストレイテッド(SI)」の電子版や「ブリーチャー・リポート」など複数の米メディアにも掲載され、反響を呼び起こしている。

 ジャッジは2022年オフ、FAとなって地元のカリフォルニア州に拠点を置くジャイアンツなど他球団との交渉も報じられたが、最終的には9年総額3億6000万ドルでヤンキース残留を決断。ナイチンゲール氏のインタビューでは「ここは僕の家」「ずっとここにいたかった」と語っており、移籍を選ばなかったことへの後悔は一切ないと断言した。

 一方のソトは昨季限りでヤンキースを退団し、15年7億6500万ドルというプロスポーツ史上最高額契約でメッツに加入。だが今季は開幕から精彩を欠き、3日(日本時間4日)現在で打率2割3分3厘、11本塁打、OPS.799と本来のパフォーマンスには程遠く深刻な低迷にさいなまれている。ヤンキース時代は1年限りの在籍ながら、打率2割8分8厘、41本塁打、OPS.989を記録していただけに、その落差は際立っている。

 ジャッジは「地元ファンからの信頼やドラフト入団以来の生え抜き選手としてヤンキースとの絆がチーム残留を決意させ、プレッシャー回避の大きな要因にもつながっている」と熱弁を振るっている。実際、今季は打率3割8分7厘、21本塁打、OPS1.242と驚異的な成績を残しており、3度目のア・リーグMVPに向けて独走状態にある。

 しかしながらソトは、ニューヨークの熱狂的かつ苛烈なメディアとファンの視線を一身に浴び、辛らつな評価が続く。米メディアの間でもジャッジと対比され「このコントラストこそ、フランチャイズへの忠誠と実績がもたらす違い」との論調が強まっており、メッツ移籍の是非を問う声も広がり始めている。

 今はただ、ジャッジの言葉が〝分岐点の重み〟を静かに物語っている。