昨年91敗を喫した西武が〝V字転換〟に成功している。開幕から5月までの50試合を27勝23敗で貯金4。2位・オリックスとはゲーム差なし、勝率3厘差のパ3位で交流戦を迎えた。
昨季は15勝30敗の借金15で交流戦に突入。同年5月26日には松井稼頭央前監督(49)の休養と渡辺久信前GM(59)の監督代行兼任が発表されたが、体制刷新で巻き返しを図った交流戦で4勝14敗と借金は25まで膨らみ歴史的低迷の谷へ落ちて行った。
それが、わずか1シーズンで復調。その背景では今季から新たに指揮を執っている西口監督を筆頭に鳥越ヘッド、仁志野手チーフ、大引内野守備・走塁コーチら外部招へいの首脳陣がチーム内に吹かせた〝新しい風〟が功を奏している。「常に全力疾走を怠らない」など当たり前のことを当たり前にこなすという〝凡事徹底〟のチーム方針も根付いてきた。
戦力的には今井、隅田の先発両輪、抑えの平良、1番・西川の成長がプラスポイントとなっている。そして昨季は全く固定できなかったクリーンアップで3番にドラフト2位ルーキー・渡部聖弥外野手(22)、4番・ネビンの「起用メド」が立っており、投打にそれぞれ軸があることも昨年との大きな違いだ。
特に渡部聖は現在、左足首ねん挫の回復待ちで登録を抹消されているものの、ここまで34試合に出場し打率3割3分1厘、4本塁打、17打点と存在感を発揮。ルーキー離れした驚異的な活躍を見せている。
それだけではない。デビュー17試合でわずか1失点の防御率0・53とブルペンで重要な役割を果たす3年目・山田陽翔投手(21)も大きく躍進中だ。また、先発として6試合に登板し4勝2敗、防御率2・03と飛躍を見せている4年目・菅井信也投手(21)がチーム内で激しい〝新人王争い〟を展開。既存戦力を下から突き上げていることも、チーム活性化の大きな原動力となっている。
チーム内にも「下手な戦力補強よりも優秀な後輩の出現の方が同じポジションに与える影響、チーム全体にもピリッとした危機感を植え付けるため効果が大きい」との声があり、若獅子たちの躍進を歓迎している。
もちろん今季は楽天・宗山、ロッテ・寺地など新人王争いのレベルは高く、昨年の武内に続き西武からの2年連続受賞はそう簡単ではないだろう。ただ、ここまでのチームのV字回復を支える要因の中に若手たちの突き上げが、計り知れないプラス効果を生み出していることだけは間違いない。












