阪神は3日から交流戦開幕・日本ハム戦(エスコンF)に臨む。注目のセ・パ首位チーム決戦を前に、先制口撃を仕掛けたのは他ならぬ敵将・新庄剛志監督(53)だった。猛虎内では今やほぼタブー扱いされている「あの一件」を、あえて蒸し返した北のビッグボスの真意はどこにあったのだろうか――。

 1日のロッテ戦(エスコンF)終了後に行われた会見で、阪神戦への意気込みを問われた新庄監督は「この辺にきたら」と頭部付近にボールを投げられたジェスチャーをした上で「こうしようかな」と左右の手で「来いよ!」のポーズを披露し報道陣の爆笑をゲット。さらに「で、次の日はメンバー表交換で目を合わさない(笑い)。そう伝えといてくださいよ。球児に」とドヤ顔で続け、不敵な笑みを浮かべた。

 言うまでもなくこれは、虎指揮官と広島・新井監督の遺恨劇を念頭に置いたもの。4月20日の阪神―広島戦(甲子園)で鯉の新人右腕・岡本が、坂本の後頭部付近に死球を投じてしまったことに藤川監督は激高。グラウンドに飛び出すと広島ベンチに向かって「来いよ!」とばかりにケンカ腰で猛抗議したことは今も記憶に新しい。日頃は紳士的な態度で知られる青年指揮官だけに、多くのプロ野球ファンに強烈な印象を残してしまった。

 自軍のルーキー右腕に対しオーバーリアクションともとれる態度を示されただけに、新井監督も「腹に据えかねるものがあった」と後に振り返る。5月16日からの同3連戦(甲子園)では、握手やあいさつはおろか、目線すら合わせようとしない両軍指揮官のメンバー表交換が話題に。ギスギスとした後味の悪さだけが残る形となっていた。

 今や猛虎内でもタブーとなっている一連の出来事を、衆人環視の場で蒸し返した格好の元・虎のプリンスだが、球界関係者は「これも新庄監督なりのフォローであり気遣いなのだろう」と語る。藤川監督がこの日「大の仲良しな先輩ですから」と語った通り、両者の関係は良好そのもの。指揮官就任前の評論家時代には日本ハムのキャンプ地に足を運び、新庄監督の依頼に応じる形で若手投手の指導にも当たっていたほどだ。

 エキセントリックな言動の裏には、常に他者への気遣いとリスペクトが流れている新庄監督。だからこそ、強烈にイジられた格好の虎指揮官も「日本ハムの公式動画で新庄監督の会見を見ましたよ。楽しかったですね」と笑顔で振り返っていた。