ライバルと戦わないのはファンが許さない!? ボクシングのWBC世界バンタム級1位・那須川天心(26=帝拳)が30日、世界前哨戦と銘打たれたWBA同級6位ビクトル・サンティリャン(29=ドミニカ共和国)との同級10回戦(6月8日、東京・有明コロシアム)へ向けた練習を公開。期待が高まっている同じキックボクシング出身のWBO世界同級王者・武居由樹(28=大橋)との対戦について「どういう形であれ、やると思います」との考えを示した。

 28日に武居がWBO同級7位ユッタポン・トンデイ(タイ)をわずか1回2分7秒でKOした試合を映像で見たという那須川。「相手がすごい評価の上がる選手かといえば、そうではなかったと思いますけど、バチっと決めてくれて、チャンピオンでいつづけてくれることはありがたいこと。非常に強くなっているというのは、見て思います」と称賛した。

 武居は勝利の直後は那須川の名を出さず王座統一戦を希望したが、翌日には戦いたい相手を「天心選手」と話すなど、発言が若干変化している。それについて那須川は「言ったり言わなかったり、駆け引きをしている。リング以外でもジャブを突かれているなと感じている」と冗談を飛ばしながらも「長い目で見てもらいたい。しっかり勝っていけば、必ずやる相手だと思います」と闘志を燃やした。

 武居の次戦は同級1位クリスチャン・メディナ(メキシコ)との指名試合が濃厚。那須川は自身のスパーリングパートナーだったメディナを「あいつのせいで病みましたから。本当に一番強いパートナーだった」と実力を高く評価し、両者の対戦を「一筋縄ではいかないと思う。武居選手のあの遠い距離がどれだけ通用するか」と予想した。

 武居が敗れれば、自身との対戦が消滅することにもなりかねない。だが、那須川は「消えないと思いますよ。ファンが、どっちが勝とうが負けようが、それでやらないのは許してくれない」と、その可能性はないと考えている。

「最終的に声が勝つのは民衆。そういう人たちの声を聞けるか聞けないかが、今後のボクシング界の発展にもつながっていくと思います。どういう形であれ、やると思いますよ」と対戦する意義を力説した。

 とはいえ、那須川もこの一戦を突破できなければ、武居と戦える地位が遠のいてしまうのは間違いない。この日は2ラウンドのスパーリングなど合計10ラウンド汗を流し、持ち前の俊敏な動きだけでなく力感のあるパンチや接近戦での打ち合いも披露。「何でもできるぞというカードを持っておくと安心する。そこをしっかりやってきた感じ」と、仕上がりに手応えを感じている。

 民衆の期待に応えることはできるか。