ボクシングのWBC世界バンタム級1位・那須川天心(26=帝拳)が30日、都内でWBA同級6位ビクトル・サンティリャン(29=ドミニカ)との同級10回戦(6月8日、東京・有明コロシアム)へ向けた公開練習を行った。アンチと呼ばれる批判的な存在が減ってきていることに寂しさを感じながらも、ファンの応援に応える勝利を誓った。

 日本トップレベルの人気がありながら、批判的な声も多く集まることで知られる那須川。だが、2月に元世界王者の実力者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦で苦しみながら判定勝ちしたあたりから「潮目が変わった」と、アンチの減少を感じている。その理由を「スポーツって今、すごい人がすごいことをやっている、みたいな目線で見ている人が多いですけど、本当のスポーツはそうじゃないんじゃない、みたいな。人間味があって、泥臭い姿があって、そういうところに人って熱狂できる」と推測する。

「さみしいですね」と話しながらも「自分がやってきた実力でのことなので。最近、アンチだったんですけど、ファンになりましたっていう正直な人が多くて、すごいうれしいですね」と感じている。それは目に見える形でも現れており「チケットが相当売れ行きがいいらしい」と話すほどだ。

 今回は世界前哨戦と銘打たれ、年内に計画される世界戦へ負けられない一戦。日本選手4人が4団体の王座を保持する戦国時代のバンタム級でトップ戦線に割り込むことに「ここからが楽しみ」と闘志を燃やし、「応援してくれる人にもしっかり応えたい」と勝利を誓った。

 この日は、相手と同じサウスポーのメキシコ選手との2ラウンドのスパーリングなど合計10ラウンド汗を流し、力感のあるパンチや接近戦で打ち合う場面も披露。「ただのチャンピオンを目指しているわけじゃない。一点突破型で、アウトボックスをするだけで(世界王者は)なんとなくいけるのはあると思うんですけど、すべてできないと意味はない。今回は打ち合う距離だったり、前回できなかったことを学んでいる」とトレーニング内容を説明した。

 アンチを増やさない戦いを見せられるか。