阪神・佐藤輝明内野手(26)が28日のDeNA戦(甲子園)に「4番・右翼」で先発出場し、4打数1安打で4試合連続安打とした。直近の3試合では本職の三塁ではなく、外野手としての出場。バリバリの主力打者であろうと複数ポジションで起用する藤川球児監督(44)の用兵には、球団内外で賛否が巻き起こっているが、将来的なメジャー移籍を目指す背番号8には夢を後押ししてくれる起用法となるかもしれない。
2回に先頭打者として第1打席を迎えた佐藤輝は、左翼フェンス直撃の二塁打をマーク。浜風に流されたとはいえ、逆方向への詰まり気味の打球でも外野手の頭を越えてしまう規格外のパワーは大きな魅力だ。
25日の中日戦(バンテリン)ではプロ初となる左翼でスタメン出場。前日27日のDeNA戦(倉敷)では右翼で出場した。この日を含めて3戦連続での外野起用となったが、ポジションが変わっても計13打数6安打と好調そのもの。打撃への悪影響は今のところ全く出ていない。
入団以来、確実性の低さや好不調の波の激しさを課題としてきたが、ここまで打率2割9分4厘(セ4位)、12本塁打(同1位)、34打点(同1位)と安定した成績を維持。最大の弱点だった三塁守備も44試合でわずか2失策と大きな成長を見せていた。
だからこそ、他球団関係者は「三塁で(新助っ人の)ヘルナンデスを使いたい気持ちはもちろん理解できる。だが、攻守で好調だった佐藤輝を、キャンプでもほとんど練習させていなかった外野で〝ぶっつけ本番〟のように起用するやり方には、藤川監督の焦りのようなものも感じた」と指摘する。
シーズン最大の正念場となる交流戦は6月3日の日本ハム戦(エスコン)で開幕。DH要員でもあるヘルナンデスはキーパーソンとなるだけに、今のうちに一軍の打席に少しでも多く立たせたいチーム事情も横たわる。
その一方で球団OBは「チーム方針として正しいかどうかは分からないが、将来的なメジャー移籍を目指す佐藤輝からすればプラスの部分も多いと思う。MLB球団が欲しいのはどちらかと言えば外野手だろうからね」との見解も示した。
1―0で勝利したこの日のスタンドにも、米球団のスカウトたちが複数姿を見せていた。3月に行われたドジャースとのプレシーズンゲーム(東京ドーム)で、サイ・ヤング賞左腕のスネルを打ち砕く衝撃的なアーチを放った佐藤輝は、今や米球界からも注目される存在だ。
とはいえ、イチロー氏や松井秀喜氏のように米球界で活躍できた野手はほとんどが外野手。「日本人内野手は獲得に動きにくい」という先入観がMLB内に根強く残る中、左右両翼も無難にこなせることをアピールできれば、自身の夢を大きく手繰り寄せることになる。充実の時を迎えている今だからこそ、自身の強みと魅力を米スカウトたちに印象づけたいところだ。












