【取材の裏側 現場ノート】モータースポーツジャーナリストで本紙解説でも活躍した小倉茂徳さんが14日に62歳で死去したことが分かり、モータースポーツ界で悲しみが広がっている。
小倉さんは本紙で長年F1日本グランプリ(GP)の評論を担っていたが、2023年からF1記事の拡充に伴って他のGPやF1以外のモータースポーツなど定期的に解説をお願いすることになり、記者が担当を務めた。
記者は他のスポーツを担当しておりモータースポーツの知識が乏しかったが、小倉さんは常に丁寧に分かりやすく説明してくれた。モータースポーツの裾野拡大を意識した目線で、コアなファンはもちろん、初心者も関心を持てるような語り口。業界全体の発展を願う気持ちは話すたびに強く伝わってきた。
小倉さんとの会話で思い出されるのが「これは脱線しますが…」と切り出す〝余談〟だ。
F1レースの解説を聞くと、本筋の話だけではなく決まって、開催地の文化や食事、地元民と交流したエピソード、そのレースにまつわる裏話など多岐にわたる話題を教えてくれた。記者もついつい評論とは関係ない話を聞いてしまい、数時間にわたって話が盛り上がり〝居酒屋状態〟になることもあったほど。どんな時も柔和な笑顔で楽しそうに語る姿が脳裏に焼き付いている。
そして、小倉さんがずっと期待を寄せているのがF1の強豪レッドブルに今季途中から昇格した角田裕毅(25)だ。デビュー時から逸材と太鼓判を押し、本紙で最後の評論となった4月下旬のサウジアラビアGP後にも「このままいけば、どんどん(マックス)フェルスタッペンに近づいていける」と同僚の4連覇王者を引き合いに出して今後に大きな期待感を示していた。
記者は2年余りと決して長くはないお付き合いだったが、モータースポーツに限らず人生の大先輩として薫陶を受けた。心からご冥福をお祈りします。












