東京都は夏の熱中症対策として一般家庭の水道基本料金を無償化すると20日に発表した。期間は4か月で、関連経費約400億円を盛り込んだ補正予算案を6月の都議会に提出する。光熱水費のうち水道代を軽減することでエアコンの使用につなげたいというが、電気代はどうなるのか。

 小池百合子都知事は「物価高騰で実質賃金がマイナスの状況が続く。猛暑が予想される中、都民の命と暮らしを守る」と話した。物価高騰で光熱水費の負担が高くなっている。また、毎年夏は熱中症が問題となっており、水道料金を軽減することでエアコン使用を促す目的があるという。

 水道の基本料金をめぐっては自民党、公明党、都民ファーストの会が無償化を求める要望書を提出していた。都政関係者は「毎年、暑さ対策が課題でした。都内では熱中症で亡くなる高齢者が多く、ほとんどが室内で、その中でもさらにエアコンの不使用による事例が目立っていました」と背景を解説した。

 エアコン利用の促進なら電気代軽減でいいのではないかという疑問もSNSでは多い。「電気代が高いからエアコンを不使用にしてしまうわけですが、東京都にできるのは光熱水費の中で水道だけ。電気とガスは国マターで、すぐにやりたい小池都知事にとっては今から国に要望する時間はないという判断もあったのでしょう」(同)。水道は東京水道局で管轄している。

 東京の水道の基本料金は一般家庭の場合、主に1か月当たり860円、1170円、1460円となっている。対象は個人商店などを含む約800万件。あくまで基本料金の無償化なので、使用した量によって算出される従量料金は必要になる。検針日により期間は6月から9月と7月から10月の4か月のどちらかになる。約3500円から約6000円がタダになるわけだ。

 都議選が6月に予定されており、選挙対策との指摘もある。都民ファ関係者は「むしろ都の動きに国が刺激されて国が電気代の軽減に動いてほしい」と国に期待している。

「政治のトレンドは減税と給付ですが、水道の基本料金無償化はそれらと比べて事務コストが安く済む。すぐできるし都民の財布に直接影響します。熱中症による緊急搬送も減り、そこにかかるお金も減らせるので暑さ対策としてだけでなく経済対策として優秀だと思いますよ」(同)

 電気代も下がってくれたらありがたいこと。国が動くなら全国規模の話になるが果たして――。