〝ネクスト至宝〟の潜在能力は本物なのか――。J1FC東京のMF北原槙(15)が、J1史上最年少出場記録(15歳7か月22日)を打ち立てて注目を集めている。4月から高校生となった逸材は、まだ中学生だった3月1日の鹿島戦で日本サッカー界の歴史にその名を刻んだ。それ以後も、国内最高カテゴリーで奮闘中。元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)は6日の岡山戦(JFEス)で生チェックし、実力を高く評価するとともに、さらなる成長への課題を挙げた。

 北原は2月26日の名古屋戦でJ1初ベンチ入りすると、3月1日の鹿島戦でついにピッチへ。東京VのFW森本貴幸が2004年3月13日の磐田戦でマークした15歳10か月6日を更新し、J1史上最年少デビューを飾った。その後も2日の東京V戦、6日の岡山戦と出場を重ねている。

 希望あふれる若武者について、武田氏は「岡山―FC東京戦を現地で(中継局・岡山放送の)解説させてもらったんだけど、北原は右足、左足で蹴れてドリブルの華麗さもある。ほかの選手は年上ばかりだけど、その中でも物おじしない。メンタル的にも強いのかな。15歳という年齢を感じさせないのは良いね」と技術、精神面ともに花丸の評価だ。

 一方で、逸材だからこその課題も感じている。「ゴールに積極的に向かっていく意識や、そこへの力強さを上げていけば、もっと伸びると思う。ボランチなんだけど、岡山戦や前回の東京V戦はトップ下でもプレーしていたし、ゴールにもっと絡んでいける力はある。ゴール前までいくのだけど、パスを選択したりとかもあった」。森本が持つJ1史上最年少得点記録(15歳11か月28日)の更新でハードルクリアを印象付けたいところだ。

 また、FC東京と言えば、日本代表MF久保建英(23=レアル・ソシエダード)が育ったクラブとしても知られる。高校年代にトップチームなどでプレーし、J1横浜Mに期限付き移籍していた18年8月26日の神戸戦で歴代2位の年少記録(17歳2か月22日)でJ1初得点を挙げるなど活躍。18歳で欧州へと羽ばたいた。北原は〝日本の至宝〟と称される久保に続くようなキャリアを積んでいけるのか。

 武田氏は「久保を超えていけるかは、チャンスをもらっている今、結果を出すこと。結果を出さないと出番はなくなり、成長速度は遅くなる。J1の試合に出ることで同年代の選手とやるより2~3倍、成長スピードが上がるからね。J1で出続けることが将来の海外へとつながると思う」と力説した。

 次代の天才を生観戦したレジェンドが、見て感じた底知れぬポテンシャル。同時に、今季J1初昇格となった岡山のサッカー熱も肌で感じた。「6日の試合は今季ホーム最多の1万5073人。地域が盛り上がっているよね」。Jリーグ全体の熱気が高まる中で、北原の成長も楽しみだ。