土壇場で「最悪のシナリオ」を回避した。巨人は28日、ヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)に延長10回の末、6―5でサヨナラ勝利。阿部慎之助監督(46)も思わず喜びをあらわにした。
2年連続の開幕投手を任された戸郷は4回まで完全投球も5回にツバメ打線に捕まり、4失点KO。明らかに劣勢ムードだったが、試合終盤で執念を見せた。5点ビハインドの8回にキャベッジが、この日3安打目となる1号2ラン。一気に点差を縮めると、9回にはヤクルトの新守護神・田口を相手に打者一巡の猛攻で3点を奪い、試合を振り出しに戻した。
そしてクライマックスは5―5で迎えた延長10回二死二塁。若林が劇的なサヨナラ打を放ち、3時間26分の大熱闘を制した。
試合後の阿部監督も「いやもう、興奮しました、はい。(若林のサヨナラ打は)ナイスバッティングでした。1番打者として最高の働きをしてくれたなと思います」と珍しく興奮した様子。「勝ちは勝ちなんでね、うれしいっすよ」と最後まで破顔一笑だった。
スワローズ先発の奥川を打ち崩せず、さらに相手の波状攻撃によって防戦一方だった試合展開。ヤクルトは主砲の村上を筆頭に山田、塩見と主力が軒並み離脱している「手負いの状態」だった。
ただ試合前のチーム内からは「野戦病院と化しているヤクルトに今負けてしまうと、勢いをつけるハメになる。こっちも嫌な印象を持って1年をスタートしてしまう。何としても勝たないと」との声が方々から出ており、決して楽観モードではなく妙な緊張感が漂っていたのも事実。過剰なまでの〝はやる気持ち〟が足かせとなって終盤までの苦戦を招いてしまったようだが、それでも最後まで諦めない姿勢を貫き「奇跡」を呼び込んだ。
開幕戦の直前、阿部監督は選手たちに向け「勝負事なんで勝敗はあるし、そこに一喜一憂しないで」とメッセージを送った。とはいえ、さすがにこの日の大逆転劇には誰もが白い歯をのぞかせ、歓喜の輪を作った。阿部巨人にとって「価値ある1勝」となったことは間違いない。












