動物アレルギーというと動物が原因で人間に起こるアレルギーだと思うかもしれないが、今回取り上げるのは動物が起こすアレルギーの症状だ。愛犬が皮膚炎になった経験を持つ人は少なくないように、人間と同じように動物もアレルギーに悩まされる。そうした動物アレルギーの検査について専門家に聞いた。
【犬にもアレルギー検査が必要なことがある】
アレルギーは特定の物質に対して免疫が過剰に働くことによって引き起こされる。原因物質は食物や薬剤、花粉、ほこり、金属など多岐にわたる。通常であれば大きな害を与えないような物質であっても、アレルギーの原因となって過剰な免疫反応を引き起こし、アレルギー症状となってしまう。
また犬や猫など動物も同様だ。彼らは人間と同じような種々の病気にかかり、さまざまなアレルゲンによってアレルギー症状を引き起こすことがある。しかし人間の場合はアレルギー症状が出ると本人が不調を言葉で伝えることができるのだが、動物は話せないのが厄介だ。飼い主が気づいてあげる必要がある。
「若い年齢の時から続くかゆみや軟便の症状がある場合は、アレルギーが疑われます。ぜひ一度検査を受けてほしいですね」と語るのは動物アレルギー検査の増田健一社長だ。同社は、名称の通り犬、猫のアレルギー検査サービスを全国の動物病院などに提供している会社である。
増田社長は獣医でアレルギー学の研究者だった。その研究の中で動物のアレルギー診療はIgE定量測定技術によってもっと精緻にできると気づいていたため、それを具体的に提供するために会社を設立したのだ。
【フレンチブルドッグや柴犬に多い食物アレルギー】
検査は、ほぼ猫でも同様なのだが犬を中心に話すことにする。人間でも犬でもアレルギーを引き起こすのはIgE(免疫グロブリンE)という抗体が体内に生じるからである。アレルギー体質の場合は血液中に大量のIgE抗体が存在する。
アレルギーの臨床分野ではIgE抗体の測定検査が応用されるようになっているが、特に同社はIgEを数値で捉える定量測定の技術を持っている。アレルギー反応を引き起こしやすいかどうかが数値で分かると同時にIgE濃度が高いアレルゲンを特定できる。アレルゲンとはアレルギーを引き起こす原因物質だ。アレルギー原因40項目について検査が可能で、この定量測定技術は特許出願されている。
検査を受けるには動物病院などで採血する。その採血した血清が外部の動物アレルギー検査のような検査機関に送られ、検査自体は検査機関で実施される。検査結果は後日病院に届き、獣医師から聞く形だ。
飼い主としては、愛犬の皮膚が腫れている気がするようなときは「もしかしてアレルギー?」と心配した方がいい。それ以外にも「頻度は多くありませんが、時々せき込んだり、顔が腫れたり、逆くしゃみといった犬特有のしゃっくりのような症状が出た場合もアレルギーが疑われます。また、フレンチブルドッグ、柴犬などは食物アレルギーの好発犬種とされていますので、症状が出ていなくても検査することで潜在的なアレルギーがあることが分かります」と増田社長はアドバイスしてくれた。
次回の後編では、検査内容や費用などについて尋ねる。













