中国若手俳優の王星が昨年12月にニセ映画のオーディションをエサにタイにおびき寄せられ、そこからミャンマーで中国系特殊詐欺グループに監禁された人身売買事件が大騒動となったことをきっかけに、タイ・ミャンマー国境地域に10ほど存在する巨大な〝詐欺タウン〟でオンライン賭博やオンライン詐欺、特殊詐欺が行われていたことが発覚した。SNSで誘いだされた数千人から数万人が監禁され、国際詐欺の実行役を強要されていたのだ。そこは、〝リアル・カイジ〟の世界だった――。
中国、タイ、ミャンマー共同の取り締まり作戦により、カジノリゾートの跡地などに建設された詐欺タウンがかなり衰退してきているようだ。タイ政府は2月5日からタイ・ミャンマー国境の5地点で電力、燃料供給、インターネット接続を遮断したと発表していた。
中国共産党中央委員会の官営機関紙「人民日報」傘下のタブロイド「環球時報」は先日、タイ・ミャンマー国境の一部地域の夜間の明るさが大幅に減少したとして衛星画像を掲載し、中国、タイ、ミャンマーが共同で開始した〝詐欺公園〟の取り締まりが段階的に成果を上げていると報じた。
また、ミャンマー東部の一部地域を実効支配するカレン族の武装勢力「国境警備隊(BGF)」は26日までに、詐欺タウンから保護した外国人約7000人について、中国人が約4800人、ベトナム人とインド人がそれぞれ500人以上など27の国と地域の出身者がいると明らかにした。日本人やヨーロッパ人もいるとみられる。
詐欺事情通は「監禁された人たちは、詐欺技術をたたき込まれ、出身国相手にオンライン詐欺などをやらせられます。売り上げを上げられない人は電気ショックで罰を受けたり、臓器を売られます。詐欺タウン同士で人の売買もやっており、新人は数十万円、有能な人は1000万円近くの値が付きます」と語る。
詐欺組織に高額で雇われ銃を所持したカレン族が見張りをし、建物の窓には鉄柵があり、逃げ出すことは困難。そんな環境で1日のほとんどの時間を詐欺行為に費やすことになる。
「逃げられないし、過酷な〝労働環境〟のため、自殺者も出るそうです。そのため、娯楽は充実しています。詐欺タウン内にレストラン、カジノ、風俗があります。薬物も無制限に入手できます。春節(中国の旧正月)などには豪華なショーも開催されます。詐欺の腕を磨いた売り上げのいい人はどんどん報酬をもらえます。ただ、すべてを詐欺タウン内で使うしかないんです」(同)
今月、詐欺タウン内で開催された〝春節祭り〟の動画が中国のSNSに流出した。タイトなスカートをはいた美女たちがブルーノ・マーズのヒット曲「ATP.」などに合わせてセクシーダンスしたり、チャイナドレスに身を包んだ美女たちが中国舞踊を披露したりし、観客が大盛り上がりする動画だ。
監禁された場所で酒池肉林…まるで人気漫画「賭博黙示録カイジ」のような世界観だ。












