プーチン大統領が〝特別軍事作戦〟と称するロシアのウクライナ侵攻から24日で3年となった。第2次大戦後の欧州で最悪規模の戦争となり、両軍ともに多大な犠牲を出しているものの、ロシアが軍事面でも外交面でも優位に立っているようだ。とはいえ、戦争終結の道は見えない。
3周年前夜の23日、ロシアは戦争開始以来最大規模のドローン攻撃を行った。同日、ウクライナのゼレンスキー大統領は記者会見し、同国の平和、NATO(北大西洋条約機構)加盟と引き換えに辞任すると述べた。
「もしそれがウクライナの平和を意味するのであり、私が職を辞す必要があるのであれば、私は準備ができております」と言い、「もし条件が整えば、直ちにNATO加盟と(辞任を)交換できる」と付け加えた。
今年になってトランプ大統領の介入で、目に見える変化がもたらされた。親ウクライナだったバイデン前政権と真逆で、トランプ政権がロシア側につく形で戦争を終わらせようとしているのだ。
米国事情通は「ウクライナ戦争の終結はトランプ氏の重要な選挙公約の一つでした。とはいえ、トランプ政権は、ウクライナ抜きで米ロ外交トップがサウジアラビアで〝第1次和平交渉〟を行った上、ゼレンスキー氏を『独裁者』と呼び、これまでウクライナに援助してきた数千億ドルと引き換えにウクライナのレアアースなどを受け取るという強硬姿勢です。米ロは情報戦略で、ゼレンスキー氏一人だけが戦争を続けたい人間だというふうに仕立て上げ、戦争終結を狙っています」と語る。
しかし、西欧諸国はウクライナ支持が多く、米ロの意向だけで和平に至るとは考えにくい。また、これまでの犠牲は大きすぎる。ゼレンスキー氏は最近、ウクライナ軍兵士4万6000人以上が死亡し、39万人以上が負傷したと発表した。一方、ロシア軍は死傷者数を公表していないが、ロシア独立系メディア「メドゥーザ」は24日、ロシア軍の死者数を16万~16万5000人と報じた。
ロシア事情通は「両軍ともに疲弊しており、クレムリンはゼレンスキー氏を排除すれば、ウクライナは降伏するとみているようです。実際、ロシアの親プーチンメディアは23日にFSB(ロシア連邦保安庁)筋の情報として『ゼレンスキー氏の粛清計画が承認される』と報じましたが、実情は違います。ウクライナには親ロシア派の有力政治家はおらず、戦争疲れはあるものの、取られた領土をあきらめるなどの犠牲を払ってでも平和を求める声も広がっていないのです」と指摘する。
それでもロシアはゼレンスキー氏を排除する方向で動いているようだ。
「ゼレンスキー氏排除後、大統領不在のウクライナに対し、プーチン氏が『選挙期間中は短期停戦する』と選挙を勧めるプランがあるようです。トランプ氏がこれを自分の手柄とし、西欧諸国によるロシアへの経済制裁を止めるかもしれないからです。ウクライナ新政府が親ロシア派になればそれでよしとし、反ロシア派ならば、数か月の停戦後、さらに激しい戦争が再開されることになるかもしれません」と同事情通は話している。
3年たっても終結はまだのようだ。











