日本一監督の27年ぶりリーグ優勝への秘策とは――。昨季セ・リーグ3位からの下克上で、26年ぶり日本一を手にしたDeNA。その〝忘れ物〟であるリーグ優勝に向け、兵を練る三浦大輔監督(51)を本紙専属評論家の伊原春樹氏が沖縄・宜野湾キャンプで直撃した。最後の最後に「Vのピース」として加わったトレバー・バウアー投手(34)の〝番長流操縦術〟を尋ねた。 

【新鬼の手帳・伊原春樹】私が宜野湾を訪れた日、球場周辺は何やらピリピリムード。観客、メディアを完全に排除し、球場でサインプレーの確認を入念に行っていた。私が「日本一おめでとう」と声をかけると、指揮官は「甘い世界ではないので。沖縄でしっかりやっておかないと」と汗をぬぐった。

 日本一には輝いたものの、首位巨人とは8ゲーム差。その表情からはあくまでも挑戦者との思いが伝わってきた。「リーグ優勝ができなかったので、しっかりと守れるように。このキャンプでもテーマにあげて取り組んでます」とも述べるなど、強力打線は健在なだけに守りに重きを置いている様子が見て取れた。

 昨季のチーム防御率3・07はリーグ5位だが、課題だった先発陣に光明も見えてきた。キャンプイン直前にサイ・ヤング賞右腕バウアーの2年ぶり復帰が決定。2023年の10勝右腕の復帰は心強かったようで「バウアーが増えたのが一番大きかった。外国人3人の先発(バウアー、ジャクソン、ケイ)がいて、東がいるのでそれでいきます」と白い歯を見せた。

 順風満帆だが、1つ気になったのがバウアーの登板間隔だ。23年は19登板中6試合が中4日での登板だった。当然、他の投手への影響は避けられず先発陣で好調だったのは16勝の東、10勝のバウアーと2人だけ。エースの今永(現カブス)が7勝に終わり、チーム成績も3位だった。希望が通らなければ、バウアーはヘソを曲げかねない。

 だが、三浦監督は「大丈夫でしょう」と余裕の表情だった。真意を尋ねると「リモートですけど、契約が決まった時にバウアーと1回話をして『そこ(=登板間隔)は監督に任せる。中4日でいける準備はしている』と言っていました。一昨年、日本の野球を見ているし、そういう部分はワガママじゃないですよ。ちゃんと話をすれば、理解します」と意思疎通は万全なようだ。

 中6日にも十分に理解を示しているそうで「(バウアーについて)マスコミの方が心配しているだけ。すごくトレーニングをしますし、成績も残しますし…。中何日かはっきり決めていないですけど、中4日で回ってくれるのなら監督としては助かります」と歓迎した。

 もちろんベテランだけに疲労は考慮する。「(日程上)ずっと中4日で回せるわけではないので。中5日や中6日にもなる。どれでもバウアーはしっかり調整してくれますし、一昨年もきっちりやってくれましたので、心配してないです」と右腕のフル回転を期待していた。

 5年目を迎え、三浦監督は円熟味も出てきた。私が昨季、驚いたのは温厚な指揮官が阪神戦(8月27日、横浜)の7回無死満塁で降板を拒否した救援右腕ウィックを鬼の形相で「チェンジ!」と一喝したシーン。結果的にチームは快勝し、最後は日本一を勝ち取った。

 今季も外国人5枠をフルに使うそうで「(救援で)ウィックもつかいますし、オースティンも。(先発が)3人同時にベンチに入ることはないですし、全員使えます」とマネジメントに自信をのぞかせた。

 今年こそリーグ優勝、そして2年連続日本一となるのか。三浦監督の手腕に注目したい。(本紙専属評論家)