「訳アリ心霊マンション」(著・ネブクロ 既刊4巻)

「訳アリ心霊マンション」1巻
「訳アリ心霊マンション」1巻

 不労所得を目指すフリーターの主人公・東雲薫が購入した中古マンションは、実は心霊現象が多発する事故物件だったという事実が判明。薫はそれを逆手に取り、さまざまな悪霊を住人として入居させようと画策するというホラーコメディー作品です。読者層が比較的青年以上に寄っている「くらげバンチ」では珍しく、10代から30代前半の読者が全体の8割を占めるという若者人気の高い漫画となっていますね。

 コメディー要素のほか、ネブクロ先生が好きな少年漫画のテイストも取り入れていることもあって、ホラーが苦手という方でも楽しめるという点はこの作品の大きな魅力です。一方で往年のホラー番組・映画さながらの恐怖演出はしっかりありますので、ホラーマニアの方にも、その後のどんでん返しを含めて楽しんでいただければと思います。

どんな存在でも入居の対象に(Ⓒネブクロ/新潮社)
どんな存在でも入居の対象に(Ⓒネブクロ/新潮社)

 そもそも霊や怪異を“住まわせる”という発想は、ネブクロ先生が事故物件の話題に触れた際に「(悪霊が)部屋にいるなら家賃を払ってほしい」と思ったのがきっかけだったとのこと。怖い存在を倒してしまうのではなく、対話して怖くない存在に変えるという展開は、いつの間にかキャラクターに親しみを持ってしまうという部分も含めて、斬新に感じていただけるのではないでしょうか。

 近年は新たな潮流が生まれる“ホラー開拓期”だと思っていますので、ぜひ目が肥えているホラー好きの方にも、この作品を通じて「まだこんなやり方があるのか」と感じていただけたらうれしいです。(担当編集者・談)