今回は「くらげバンチ」「コミックバンチkai」などを展開する新潮社の担当編集者を直撃。個性際立つ“こだわり漫画”を3作品紹介してもらったぞ。

「ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話」(著・さとうはるみ 既刊2巻)

「ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話」1巻
「ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話」1巻

 仕事も人間関係もうまくいかない42歳のサラリーマン・矛橋真澄が、偶然ネットオークションで幻のドール「スターレット」と出会い、ドール趣味にハマっていく姿を描いた作品です。読者層としては30、40代の方が多い印象ですが、ご家族で読んでいるというメッセージもいただくことが多く、年齢を問わず幅広い方に楽しんでいただいています。

「ドルおじ」の見どころとしてはさとう先生の精密な画力、そしてドールという趣味の中で、キャラクターたちが成長していく人間ドラマを挙げたいです。ちなみにさとう先生が訪れたドール系のイベントで、和気あいあいと楽しむおじさんを見たということも、おじさんを主人公にした理由の一つ。真澄も好きなものに真っすぐ向き合う純粋さを持つ、そんな応援したくなるおじさんであるように、先生と意識して物語を作っています。

ドールとの出会いで真澄の人生に変化が(Ⓒさとうはるみ/新潮社)
ドールとの出会いで真澄の人生に変化が(Ⓒさとうはるみ/新潮社)

 連載後はドール愛好家の方々にも好評をいただいたほか、「自分もドールをお迎えしました」といった声も多くいただくようになり、「全人類をドール沼に沈めましょう」と意気込んでいた先生と私としてはうれしい限りです。ぜひ読者の方には趣味に年齢は関係ないということや、趣味に魅了された人々のいきいきとした日々を感じ取っていただきたいです。そして今後は真澄とドール「スターレット」だけではなく、周囲のキャラクターも深掘りしていく予定です。これからもドール趣味が作り出す群像劇を楽しんでいただければと思います。(担当編集者・談)