左腕のポーカーフェースは、極限状態の鉄火場でも最後まで崩れることはなかった。阪神・岩崎優投手(32)が22日の広島戦(マツダスタジアム)で2―0と2点リードの最終9回にクローザーとして登板。1回を2安打2四球1失点と苦しんだが、何とかリードを守り切り、チームを勝利に導いた。

 まだ5月。とはいえチーム的には落とすわけにはいかない大切なゲームだった。負ければ首位陥落となるだけでなく、対戦成績2勝5敗1分けと唯一負け越している新井鯉をますます乗せてしまうことになる。

 この日もカープ愛で真っ赤に燃え上がった敵地・マツダスタジアムは、NPB屈指の〝やりにくい球場〟だ。球審の微妙な判定にも苦しめられ、2―1の1点差に詰め寄られた。なおも二死満塁と一打サヨナラの大ピンチを背負ったが、赤ヘル打線の代打の切り札・松山を二ゴロに打ち取りゲームセット。百戦錬磨の岡田監督ですら「ホンマにもう…。2点(のリード)なあ…。ここの球場は分からんもんやな。やっぱりな」と肝を冷やした薄氷の試合展開だった。

 最終回のマウンドを背負う重圧は、そこに立った人間にしか分からない。今季8つ目のセーブをマークした岩崎は「勝てたことは良かったですけど、このままじゃダメなので」と〝普段通り〟の手短なコメントを残し球場を後にした。