「勝てなかった」のか。それとも「負けなかった」のか。阪神は12日の中日戦(バンテリン)で延長12回の末、2―2のドロー。救援5投手と、第3捕手の長坂以外の全ベンチ入り野手を戦線に投入した総力戦は3時間48分の長きに及んだ。
打率1割台に低迷する森下、大山、佐藤輝の中軸トリオはゲームを決める一撃を放つことができなかった。だがこの日はベンチ要員たちが、勝負どころで渋く躍動。糸原は同点劇のきっかけとなる四球を12球も粘った末にもぎ取った。代走要員として投入された小幡の好走塁も光った格好だ。
終盤5イニングを無失点でつないだ救援陣も、好調の竜打線を相手に粘りをみせた。8回の守備から試合に出場し、シャットアウトリレーを巧みにリードした梅野隆太郎捕手(32)は「ビジターゲームはサヨナラ負けがあるので。何とか粘ることができた」。前夜11日の広島戦(甲子園)で救援に失敗し、来日初黒星を喫したゲラは、この日の9回に登板して1イニングを1安打無失点。「重要な場面だったので少し感情的になってしまった。きのうは自分のせいで負けてしまったので早く(悪い流れを)切りたかった」と安堵の表情を浮かべた。
昨季のチャンピオンチームは5勝7敗1分けの借金2。チーム状態は決して万全ではない。それでもセ首位を快走中の難敵・中日から敵地で手にしたカード第1戦のドローには、一体どれだけの価値があったのだろうか。試合後の岡田彰布監督(66)は、この日も報道陣の取材に応じることなく無表情で帰りのバスに乗り込んだ。虎指揮官の胸中はいかに――。











