〝保険扱い〟でいいのか…。前DeNAのトレバー・バウアー投手(33)がメキシカンリーグのメキシコシティ・レッドデビルズと短期契約を締結し、24日(日本時間25日)にはヤンキースとの親善試合(メキシコシティ)に先発して3回4安打無失点と好投した。ただ、MLB復帰を最優先にしながらどっちつかずの状態が続く日本球界からはブーイングも飛んでいる。

 バウアーは最速97マイル(約156キロ)の直球とスライダー、カットボールにツーシームを操り、3回先頭の主砲・スタントンからは空振り三振を奪うなど存在感を示した。

 昨季はDeNAでプレーし、10勝をマーク。メジャー復帰を目指しているものの状況は芳しくない。2020年にサイ・ヤング賞に輝いたものの、ドジャースに移籍した翌21年に性的暴行などの疑いで複数の女性から訴えられ、MLBから2シーズンに相当する324試合の出場停止処分を受けた(後に194試合に軽減)。

 移籍先は簡単には見つからず、バウアーは今月10日(同11日)には米アリゾナ州でプロ契約を目指す選手たちで構成された「アジアンブリーズ」の一員として参加。ドジャース傘下のマイナー戦に登板し3回1安打無失点で抑え、自己最速タイの98・9マイル(約159・1キロ)を計測し「メジャー最低年俸でも構わない。お金ではない」と猛アピールした。今後はメキシカンリーグで5月8日(同9日)まで5試合に登板し、オファーを待つつもりでいる。

 しかし、見通しは決して明るくない。いくら健在ぶりを示しても米国内やMLBでは、ドメスティック・バイオレンス(DV)や性的暴行、児童虐待などについては重い処分が科せられる。ドジャースの番記者も「彼を加えることでクラブハウスの雰囲気が保てなくなる」と言い、過去の素行面がネックとなって今も多くの球団が獲得に消極的だという。

 となれば、自身が所属したDeNAなどのNPB球団でプレーすることも選択肢の一つ。実際にDeNAサイドはバウアー側とコンタクトを取り続け、動向を注視している。しかし、バウアー陣営の煮え切らない姿勢は相変わらずで、三浦監督も「こちらは待つしかない」と話していたように身動きがとれない状態だ。

 とはいえ、29日にはプロ野球が開幕する。球界関係者は「もちろんバウアーはいないものとして考えているはずだが、戻るのか戻らないのか。チームの編成や外国人枠の問題にもかかわってくる。魅力的な戦力であるだろうが、NPBがバウアーの保険扱いにされるのもどうなのか」と首をひねった。

 流浪の右腕はどこに流れ着くのか。