阪神・小野寺暖外野手が16日の中日戦(バンテリン)で適時右前打をマーク。「虎の最激戦区」でレギュラー奪取をしぶとく狙い続ける叩き上げの苦労人が、数少ないチャンスをいかしアピールに成功した。

 1―4と3点を追う8回一死一、二塁。6回の守備からゲームに途中出場していた背番号60に、この日初めての打席が回ってくる。相手右腕・松山にカウント0―2と追い込まれたが、4球目のフォークを巧打して右前へ。「しぶとく落とすことができた」と試合後に振り返った。
 
 虎野手陣で唯一レギュラーが固まっていないのが左翼のポジション。ノイジーと前川の2人が最有力候補とみられているが、〝試合に出れば何とかしてくれる男〟小野寺も忘れてはならない存在だ。

 昨季は規定未到達ながら、打率3割4分7厘の好成績をマーク。プロ5年目となる今季も、さらなる飛躍が期待される。「シーズン中にも試合途中からの起用はあると思うので、いい形で結果を残すことができたのは良かった」と手応えをにじませた。

 2019年のドラフト会議で育成1位として阪神に入団。その時は育成という立場ながらも、プロ入りを果たせた安堵感から涙を流した。決して高くはなかった期待値と下馬評を自力で覆し続け、21年には支配下へ昇格。127だった背番号は97→60と徐々に小さくなっていった。

 今春には応援団が自身初のヒッティングマーチをつくってくれたばかり。泥臭くも着実にプロとしての階段を上り続けている。次なる目標は当然ながらレギュラー奪取。灰かぶり男のシンデレラストーリーは、まだまだ続く。