大阪湾で1月から目撃され、最近は堺市の港近くで動かずに漂流していたマッコウクジラとみられる個体が死んだ。餌不足や体温低下で衰弱したとみられている。

 大阪港湾局は19日、クジラ1頭が死んだことを確認したと明らかにした。全長は推定約13~14メートル、重さが約25~30トン。府は死骸を堺市内の府有地に埋設する方針を決定した。1~2年後に骨格標本として大阪市立自然史博物館に提供する予定。

 大阪湾には複数回クジラが迷い込んでいる。昨年1月には淀川河口付近で約15メートル、重さ38トンの雄のマッコウクジラが見つかり、SNSなどで「淀ちゃん」と呼ばれたが、数日後に死んだ。悪臭を放つ上、体内にガスがたまって爆発する危険性があったため、大阪港湾局が紀伊半島沖に運び、約30トンの重りを付けて海底に沈めた。死体として海流に流されてきたものも数例あるという。

 海洋関係者は「サイズからすると大人なので、群れではなく単独で生活しており、群れからはぐれたということではないです。マッコウクジラは外洋にいて深海200~2000メートルまで潜ってダイオウイカや巨大深海魚を主食とするクジラなので、エサを探して大阪湾に迷い込むことはないと思います。迷い込みは、病気、プラスチックごみの誤飲、大型船との衝突や潜水艦のソナーにさらされての潜水病などの可能性があります。いずれにしても衰弱して海流に流されてきたのでしょう」と指摘する。

 過去には別の湾に迷い込んだが、浅瀬で体を休めつつ自力で外洋に戻った例もある。

「大阪湾の最大水深は197メートルで主食がいないので、マッコウクジラが迷い込んだら衰弱が進むと思われます。餓死したのではないでしょうか。マッコウクジラは体にため込んでいる油があるので、1か月はエサを食べなくても生きていけますが、体力を回復できないほど衰弱していたのでしょう」と同関係者は話している。