〝バカサバイバー〟こと格闘家の青木真也(40)が、プロボクサー・穴口一輝さん(真正)の死去を受けて警鐘を鳴らした。事故後、自身のSNSに「安全性に対して議論があって然るべき」「お気持ち表明して済ませるから改善されない」「年間最高試合が死亡事故なのはその競技を疑わざるをえない」などと投稿。ボクシングの門外漢が発した言葉は賛否を呼び、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(30=大橋)からも反応される事態になった。〝炎上発言〟の真意とは…。

 穴口さんは昨年12月26日の日本バンタム級王座戦で判定負け。試合後に右硬膜下血腫の緊急開頭手術を受けたが、意識が戻らず2日に23歳の若さで亡くなった。

 この試合について青木は「選手、レフェリー、セコンドの誰も間違ってないんだよ。選手が殴り返している限り、レフェリーもセコンドも試合を止めることはできない。選手も自分からやめることはありえない。つまり今あるルール上、完璧な試合なんだ」と指摘。それでも事故が起きたことに「ということは、今あるルールのどこかがおかしいことになるよね。だから俺は『何かを疑った方がいいんじゃない?』っていう話をしてるんだけど」と声をしゃがれさせた。

 さらに2日に発表された日本ボクシングコミッションの年間表彰で世界戦以外での年間最高試合に選出されたことを指摘し「俺の考えにおいてはおかしい」と断ずる。その理由を「どんなに素晴らしい試合でも、スポーツである以上、俺は『お互いに大きなケガがなく終わること』が最も重要だと思うから。それを最高試合にしたら、事故を肯定することになっちゃうだろ」と説明した。

 門外漢である自身の発言がボクシング界に拒否反応を引き起こすことは容易に予想できた。それでも強い言葉を並べたのは、格闘技全体の問題ととらえたからだという。総合格闘技(MMA)で20年戦い続けているバカサバイバーは「結局、ボクシングもMMAも含め格闘技って全部〝決闘〟じゃん。多くの人が勘違いしているけど、うまいこと〝スポーツ〟にしているだけで本来は違法なんだよ」。日本では2人の人間が合意のもとで闘争することを禁ずる「決闘罪」が存在する。

 青木は「それをルールを決めたりして安全性を保つことで、スポーツの体裁を取って社会に認められているんだ。だから俺は今の社会で認められていることは奇跡だと思っていて…」と分析。そして「大きな事故が起こった時にちゃんと対応しないと、世の中から反対運動が起きる可能性がある。特に世の中は、松本人志がテレビでダメになったようにどんどん〝ホワイト化〟しているんだ。本当に気を付けないと、格闘技ができなくなっちゃうよ」とメガネを鈍く光らせた。

 また、SNSで「年間最高試合が死亡事故なのはその競技を疑わざるをえないと思うんですよね」と投稿した際、井上から「年間最高試合に選ばれたのは穴口選手へのエールでもあったと思います。受賞された40分後に息を引き取ったと聞いてますので皆さんには誤解だけはして欲しくないと思います」などと〝反論〟された。これには「井上尚弥って、立場的にもうちょっと客観的に全体を見なきゃいけない人だと思う。なのに、ボクシング界の中の人の発想っていうのがしんどいよね」と主張する。

 それでも、この投稿により多くの意見が飛び交ったとして「でも、おかげで議論が生まれたことが大事だと思っていて」と歓迎。最後に「ボクシング界の人たちは『外のヤツに言われた!』って思ってるかもしれないけど、俺は『格闘技界全体で考えなきゃいけない問題だよね』って言ってるんで。感情論にならないでねって思うよ」と締めくくると「そんなことよりも俺はカルロスPに警告書を送りたい。相手の出方次第では徹底的に叩く所存だ」と意味不明な言葉を残し、雪上を走り去った。