【森脇浩司 出逢いに感謝(最終回)】昨年4月から福岡・沖学園のシニアディレクター、そして6月から社会人の福岡トヨタでGMを務めています。沖学園では2018年に甲子園に出場したので、そこに向けて微力ながら力を与えたい。生徒はもちろん、沖隆邦理事長、先生方とアルプススタンドに行く目標を達成したい。その夢に向けて最大の貢献をしたい。トヨタでは地域貢献すると同時に、仕事と野球でトヨタの名前を印象づけ、社員に還元を与えていきたいと思っています。

 人間は心が元気でないといけない。ストレスの8割以上は人間関係といわれる中、僕は長年心理学を勉強し、4年前に心理カウンセラーのライセンスを取ったんです。高校生なら多感な時期ですし、トヨタでも野球と仕事の悩みは出てくる。そこの部分にも向き合ってあげたいですね。今までは監督であり、ヘッドコーチ、守備走塁コーチと専門的に指導してきた立場ですが、プロに置き換えればメンタルコーチ。今後はそういう部分で貢献していきたい。

 僕はプレーヤーとしてやってきて、心理学とミックスさせてコーチングすることが客観的に見て効果的だと思うんです。机上の知識って確かなものであっても、実際の生ものの現場に当てはまらないことがたくさんあるんです。そこをどれだけ融合させることができるか。メンタルを伝えることの難しさはそこにある。今はアマチュア指導ですけど、そういうコミュニケーションを通じて仕事や学校生活に生かすことができればと思うし、人生を有意義に歩んでほしい。

 野球界も物のとらえ方が変われば、出てくる結果も変わってくる。今後、プロでユニホームを着るご縁があるなら、そういうものを引っ提げて人と向き合い、サポートしていきたい。それが理想だし、自分の人生を充実させていくことにもなる。ライセンスを取得したことがゴールではなく、生かさないといけないですから。

 今の時代はコロナ禍のこともあって前途洋々な若者が1つの悩みによって不登校になったりとか、会社に行けなくなったりとかも多く聞きます。野球という環境下じゃなくてもカウンセラーとしてどのように導いていけるか…。野球人として生き、これからも野球人として生きていくだろうとは思いますが、カウンセラー、メンタルコーチとしての自分を思い描いています。

 いろんな人と出会っていろんなことを学んできた。それでも思うのは親の存在が大きく、ありがたかったということ。一昨年10月に母親、昨年4月に父親が亡くなったんですが、僕は死とは人生の終末ではない、生涯の完成である、という言葉が好きなんです。親も完成によって終わったし、自分もそうでありたい。まず一番最初に出会ったのは親なんで、感謝すると同時にこれからも人生を有意義なものにしたいですね。 (終わり)